㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
2023年の酪農経営もあと残りわずか、すでに年内の売り上げは全て決まっていると言って良いでしょう。ここから爆発的に、乳量が伸びるはずがないですし、個体販売価格が大きく上がることもありません。予定調和の中で進むことでしょう。
2023年の酪農経営で、多くの経営者が「キャッシュフロー」を減らしています。コストが上がっていることが1つ、と、夏の暑熱の影響が1つ、これが原因で、経営が悪化している、と、そう説明する経営者がほとんどです。
では、2024年はどうなるか?
乳価はそこまで上がらないでしょう。これまですでに20~30円、実質10~15円ほど上がっているため、これ以上の価格アップは、消費者が離れるというメーカーのマーケティングに、屈すると思われます。せいぜい、1円か2円。期待できません。
では、コストはどうか?これまた円安が止まりません。円が100円だった頃と比べて、1.5倍の150円となっている今、飼料費、機械、燃料、下がるとは思えません。
さらには、さまざまな補助金に関しても、減額されていきます。先日、発表のあった安定基金の緊急発動部分ですが、この財源も枯渇しております。続けるかは分かりませんが、満額とはならないでしょう。同じようにさまざまな恩恵も気づかない間に削られていくことになります。
これが、これからの酪農経営の現実です。
高止まりしたコスト・・・いつか下がるだろうな〜 → 下がりません。
そんな、幻に縋っている場合ではありません。経営者として、今現在のコストがこの先も永遠に続くという自覚が必要です。ちなみにこれは、何も、酪農経営だけではありません。他の産業も同じです。平等です。我々がこの業界にいるから、よく分かるだけで、他も一緒です、苦しいわけです。
この厳しい経営環境の中で、「本気」になった経営者だけしか生き残れません。
「なんとなるさ」では、何とかなりません。「誰かが助けてくれる」助けてくれる人はいません。経営者として、自分で自分の経営を何とかするしかありません。
当然ですが、経営者に「遊んでいる暇はありません」「休んでいる暇もありません」常に、経営のことを考え続ける、これが、今とこれからの当たり前の姿です。
これから先、セーフティネットを含めた融資を借りるのも、簡単じゃありません。
金融機関は、経営が悪いところには当然貸したくないからです。なぜなら、返せないからです。さらには、何に使うか分からない、そんなところには貸したくありません。
今一度、これから2024年を迎えるにあたり、キャッシュフローを増やせるきちんとした利益をどうやったら作れるのか?どうしたら、毎月、毎月のキャッシュを増やせるのか?を真剣に考えることです。キャッシュを増やせない経営は、いつか破綻します。当然のことです。
キャッシュは増やさなくてはなりません。減らしてはいけないのです。
全力で、増やさなくてはいけません。
当然、経営以外の無駄なモノに、大切なキャッシュを使う余裕なんてありません。
このことを肝に銘じて、すでに始まっている2024年の経営を考えなくてはなりません。