㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

危機感は経営者にとっては必要です。油断、慢心が経営の足元をすくうケースは多々あります。しかし、一方で、「危機感」と「悲壮感」は違います。経営者は、危機の時こそ、必ず、その先の「夢」を語らなくてはなりません!
今乳量が落ち込んでいる。こういった相談が多いです。
何とか増やしたい。あれやこれをしても中々すぐには結果が出ません。ここで一か八かの賭けに出るのか・・・いや。という、心境です。

そうこう時間が経つと、「何をしても上手くいかない」「このままの状態がこの先も続くのではないか」「今大変なことになっているぞ」という心理状態になってくるわけです。
このままの気持ちで終わってしまうと、間違いなく「悲壮感」になってしまいます。
そうではなくて、
「今我々がやっていることは正しいことだ。」「この先、必ず、乳量が戻ってくる」「今を乗り切れば、必ず良い方向に変わっていけるはずだ」と。
最初に、危機感を考えたら、「でも、先は明るい。春は近い」というに終わらせるということです。

危機感のまま、終われば、それは、そのまま不安になり、悲壮感になる。
今、酪農業界(この業界だけではありませんが)は、この何とも言えない陰湿な空気が漂っているように思います。口を開けば、コスト削減、経費削減。明るい未来を語る人はいません。
経営者として、こういう空気の流れを、自分で変えなくてはなりません!
不安な気持ちは誰だって一緒です。経営者ですから、他人の事は、明日は我が身です。
しかし、経営者以外にその「流れ」を変えることができる人間は、自分の会社にいません。
流れが悪いと、上手くいくものものいきません。
実際には、この「流れ」を変えることができる経営者は数少ないと思います。暗く、ジメジメとした世間の流れに合わせて、自分も暗くなる。「どうせ・・」「上手くいきっこない」「外部への犯人探し」これでは、上手くいくわけがありません。そして、この自分の陰の気は絶対に、負を引き寄せます。

「逆に」
景気が良い時は、ブレーキをかけなくてはなりません。
「絶対に落とし穴があるぞ。」「絶対に油断するな」「慎重に確実に1つ1つ仕事を完了させろ」
誰がやっても上手くいく、そんな時に、油断して大ポカをやらかすのです。さらには、大ポカをやっても、なんとかなって仕舞えば、余計にその慢心の心は消えません。

経営、会社、組織が悲壮感に覆われてはいけないのです。
悲壮感を拭うのは、経営者にしかできません。