㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
何事も最初から全てが上手くいくはずがない、という前提のもとで、それでも少しずつ良くしていこうという、「我慢」と「忍耐」が経営には必要だという話し。
ユニクロが多店舗展開をしていく最初の頃の話し。
最初の物件というのは、ユニクロの実績がなかったので、なかなか店舗物件を紹介してもらえなかった。十数件申し込んで、やっと1件紹介してもらえる・・という状態。さらには、最初の紹介案件はそれはひどい立地だった。店舗が完成し、オープン当日、紹介してくれた営業所の所長が朝6時のオープン前に来てくれた。オープンなのに、お客様が並んでくれない。「えらく緩いオープンですね」と言われ、「あなたのところで紹介してくれた物件でしょ!」と言い返してしまいそうになった。
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やはり、信用も実績もない会社は、そういった悪い立地から出店していき、悪い立地を紹介されてもめげることなくその業者と付き合い、やがては良い立地を紹介してもらえるように実績を良い人間関係を作っていくしかない、と覚悟を決めた。
一勝九敗 柳生正
これと似たようなケースを、皆さんも体験しているはずである。僕自身も、農地を取得している時に、誰も引き取り手がないような農地から始めなくてはならなかった。大型が入っていけないような狭い農地の先にある畑や、ぬかるみだらけの収量が半分しかない農地。文句を言って、何か改善されるなら、言いたいことはある、がそんなことをしても、全く意味がない。最初から好条件でスタートできるなんてことはあり得ない・・ここからスタートしなくてはならないのだ。
先ほどのエピソードを、柳生さんが引き出しに出したということは、それだけインパクトがある出来事だったのだろう。今でも思い出すような、ムカムカした思い出であるということだったのだろう。
でも、「それはしょうがない」と覚悟を決め、それでもやるしかない!と前に進めるか、ここが分かれ目なのだろう。
多くの人は、愚痴愚痴、文句を言って終わる。あそこのあいつはもっと良い条件なのに、なぜ、自分は同じ条件ではないのか?といつまでも、グチグチ言っている。
この発想では勝てないのだ。
条件が多少悪くても、それでも「利益」を出せる経営ができるかどうか、それが大事なのである。それは、何も、ウルトラC的なスペシャルなことをやれ!という事ではない。目の前にある課題を1つずつ1つずつ、クリアしていく、たったそれだけなのだ。ユニクロであれば、それは、在庫管理と棚出し管理の徹底であり、清掃の徹底であり、お客様に対する笑顔であったり、それら当たり前のことをいつでも、どんな時でも、自分がプライベートで辛いことがある時でも、外が大吹雪で大変な時でも、いつでもできるかどうか、それを考えて行動できるか、ということである。
「後から来たものに条件が良いところなんて空いていないのだ」と言ったのは、糸井重里さんである。これも、根っこでは同じことを言っている。