㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

GDPがドイツに抜かれ、世界第4位になり、日本社会の物価はおよそ1.5倍に上がっている。インフレが起きてはいるが、給料は上がらない。
この理由は、なんだろうか。
「物価が上がれば、物価を超える水準の給料が払われるべき」というのが、どこか正しいと、考えてしまいがちだけども、実際は正しくない。
そんな小難しい事を考えなくても答えは単純で、日本全体の、国際競争力が落ちている・・・それだけである。

国際競争力というマクロだけではなく、ミクロで言っても、儲からない経営が多い・・だけ。1つ1つの経営、会社が儲かっていないだけ。儲かることができれば、社員の給料も、経営者自身の給料も上がっていく。ただこれだけのことである。

「今のままでいい」という甘えから、どんどん国際社会からおいていかれ、今では、スペインやイタリアよりも、1人あたり労働時間は短くなっている。日本人は世界から見ても働きすぎ!というのは、内側の意見であり、外から見れば働いていないように見える。
さらには、日本は技術大国で、日本の技術は素晴らしい・・という30年も前の幻想に取り憑かれているが、日本のお家芸であった、半導体はソフト面でも負け、ハード(ファクトリー)面でも世界からおいていかれている。日本といえば半導体という時代は、もうすでに終わっている。これは、さらにマニアックなゲームの世界でも、中国やアメリカとどっこいどっこい、原神やエルデンリング、ホグワーツレガシー、世界で大ヒットしているゲームは、日本からではない・・・。

そんな過去の栄光の日本が勝てるものが、「観光」になってしまい、2000年以上続く神社仏閣などで、外貨を稼いでいるのが、今の状況だ。
酪農経営環境においても、昨年、オランダのレリー社にお邪魔した際、次のターゲットは中国だ!という明確な意思を聞いてきた。現在の数量で、日本の生産乳量の5倍、これからさらに増える中国と、これから減っていく日本では、そりゃあそうでしょ・・とならざるを得ない。

こうした時に、マクロ(政治)の力に頼っても意味がない。政治が技術を開発するのか?政治が利益を作るのか?そんな事は出来っこない。
利益を作るのは、個々の経営であって、もっと突き詰めると経営者である。
「日本の経済が良くなれば・・・」ではなく、まずは、自分から動くことが大切である。