㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

世の中に絶対はない、ということは、自分が絶対に正しい!ということもあり得ない。経営者であるなら、常に、この考えを、心の底に持っておかなくてはならない。特に、仕事が順調だ!と思っている時は、特に注意しなくてはならない。

経営者であっても、仕事が順調にいっている時は、「自分は正しい」「自分のやり方は正しい」という風に、自分に自信を持つ。自分が優秀で、自分が正しいから、成功したのだ!と思う。そもそも、この発想自体が間違っている。
『自分に自信を持つのは、経営が上手くいっていない時に、成功の見通しが上手くいかない時、そういう時に持つべきもの。』

成功した。上手くいっている時こそ、自分を疑う、自己否定をしなくてはならない。成功??というものは、ほとんどが偶然である、ことが多い。酪農経営であれば、乳価が上がった・・・から、経営が良くなった。乳価が上がったことは、経営努力なのだろうか・・・。成功の理由は、大抵こんなもので、100%全てとは言わないが、ほとんどが偶然である。だからこそ、一瞬で、その全てがひっくり返ることがある。よくある。
今まで上手くいっていた、全てが上手くいかない、経営していれば、何度も起こる。

実際に、上手くいっている経営=儲かっている経営なんて言われていても、実態は砂上の楼閣。一瞬で壊れてしまうような脆いビジネス。時代の変化、環境の変化であっという間に、崩れてしまうもの。今うまくいっているものは、この先、壊れてしまう。
だからこそ、経営者は、自己否定をして、自分の全てを否定しなくてはならない。そうでないと、そこからの新しい発想は生まれない。
自分を否定する難しさはわかる。
自分を疑うこと。自分のやり方が、全てではないと肝に銘じること。そして、完全なゼロからスタートする勇気を持つこと。
これが自己否定の意味である。