㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

経営の危機。売上が急激に落ちこむ。利益が大きな赤字になる。
そうしたマイナスの状況は、経営していれば必ず起こる。
これは、1度ではありません。何度もその波が来ます。
その時、経営者にどんなことが起こるのか。

「今も忘れられない出来事がある。創業ほどない時期に取引先の企業が倒産し、資本金を上回る多額の不渡り手形を食らった。さすがの私も絶望的になり、一時は真剣に自殺を考え、工場への道すがら死に場所を求め車で走り回った。
 そんな姿を見かねた母親が私に預金通帳とハンコをくれた。『このお金を使いなさい』というのである。通帳を開いて愕然とした。残高はわずか10万円である。それでも母は自分の大事な貯金で私を少しでも助けようとしてくれたのだ。死のうとした自分が情けなくなり、涙が空っぽになるまで泣いた。
 そして私は固い決意を心に刻んだ。『母親がくれた人生だ。ここで挫けるわけにはいかない。日本中の銀行を駆けずり回ってでも会社を守ってみせる。』死ぬ気になってやれば活路は開けるものだ。その後、資金繰りになんとかメドをつけることができた。」

危機に直面した時に、経営者としてどういった行動をとるのか
ほとんどの場合、思考が停止する。
考えれば考えるほど、メンタルが病むので、考えないようにしよう!という思考停止か、とにかく目の前の仕事をやろ!と考えるよりも身体を動かすことに集中して、思考を停止するパターン。
多くは、この2つだろう。
どちらも、思考停止。考えれば考えるほど、辛いから・・・という選択。
確かに、経営の危機は辛い。逃げたい。しかし、そこから這い上がるには、逃げても解決できない。
考えて考えて、現時点での解決策と、これから先同じことが起きないようにどういった予防をすべきなのか、ということを真剣に考えておかなくてはならない。
考えることから逃げてはいけない。
経営者なら、考えることから逃げてはいけないのである。
考えてみたことを、実行して、また考える。この繰り返しである。
これしか方法はない。