㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

会社が潰れる原因、それは、「キャッシュが尽きた」ときなのであるが、キャッシュが尽きるまでに何が起きてしまったのか・・を今日は考えてみよう。

倒産した会社の社員の話しを聞いてみると、「社長が遊び呆けていた」「午後から出社だった」「不況だったから」という返答がある。経営者本人に聞いても「不況だから」「運が悪かった」「社員がだらしなかった」という回答であり、メディアからは「コロナだから」「原価上昇による経営悪化」などという回答になる。
ここで、我々が生き残っていくための指標として、これらの回答は全て、他人事だという事。自分のせいも多少あるかもしれないが、メインは環境、他人のせいである、という事だ。会社を潰してしまったのは、多くは経営者が悪いのは確かだ、が、その会社で働いている社員にも責任の一部はある。問題なのは、その責任を誰も、経営者すら取ろうとしないことにある。

責任者のいない会社ほど危ないものはない。責任を取る覚悟のある(嫌われる)経営者でなくては、苦しい経営を変えることはできない。

政治家であっても、耳障りの良い話し、例えば、10万円給付します!ので、投票してください。また、我々は商品の値上げをしません!という会社。苦しいことから逃げていると、周りからは好かれる。
会社の内部にいると、会社を壊した社長は好かれ、会社を再生した社長は嫌われる。前者は、好きなだけ経費を使っていいよ、ノルマも目標もない好きにしていいよという指導で、後者は、手当(給与)を減らし、ノルマに厳しく、目標を達成するまで決して手を抜かない。そんな経営者なら、確実に社員から嫌われるだろう。
が、どちらの経営者が「正しい経営者」なのか。分かるはずだ。

みんなが幸せで、笑って暮らせる・・・現実には、そんな状態が10%もあれば良い方で、苦労して、苦労して、やっと経営を継続できるのが、正しい認識だろう。好き勝手にできるのも、たかが2〜3年であって、その後、いつ潰れるか分からない、夢も希望もない、地獄のような苦しみが待っているのが現実だ。
その岐路に立ったとき、経営者自身が、「この失態は自分の責任である」やる気のない社員がいれば「それは自分の指導が悪いせいだ」という認識、その上で、歯を食いしばって耐え、1つ1つやれるかどうか。経営改善の肝はそこにあると思う。