㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

経営者が絶対にやってはいけないこと、それは会社を潰すことである。会社を潰さないためには・・という話しの前に、重要なことは、会社は一度でも潰れてしまえば、そこから復活することはない、という再認識が必要である。
1度でも潰れてしまえば、経営はそこで終わり、ということである。逆に潰れさえしなければ、辛く困難な道ではあるが、復活できる可能性は1%以上ある。しかし、潰れてしまえば0%である。
死んでしまった人間が生き返ることはないし、滅んでしまった国が復活することもない。会社も潰れてしまってからでは、何をしても遅い。潰れる前に、もっと言えば、潰れる予兆が出る前に、早めに手を打って、絶対に潰れないようにしなくてはならない。けれども、そこで気づかず、いや気づいていても、この先何とかなるだろう、というような甘い期待を持って、放置してそのまま危機に陥るケースの方が多いだろう。

経営者じゃない方も、経営者の方も、信じられないかもしれないが「手形取引」というものが、少し前まであった。なかなか銀行から融資を受けられない企業が、目先のキャッシュフロー確保のために、支払いを先延ばしにする方法として、手形(証書)を発行して、その約束日まで口座に入金すれば良い、というシステムだ。しかし、この「手形」の約束の期日までに、口座に現金を用意できないと「不渡り」になってしまい、不渡りを2回行うとペナルティとして、銀行取引が停止させられてしまう。銀行での取引ができない、イコール、事実上の倒産である。これがヒューマンエラーによる人為的なミスであれば、1度の不渡りで済むが、現金が用意できない1度目の不渡りの時点で、取引先の信用はガタ落ちしてしまい、ほぼ倒産に近い扱いになる。なので、「手形」取引は、リスクがものすごい高い、だから、もう辞めましょう!となっている。
が、これは少し前までの話しではない。今現在も、実は「手形」取引は、10%の企業で続いている。
この非常に倒産リスクの高い「手形」取引を続けている会社は、実はまだまだ多いのである。2026年末に廃止予定ではあるようだが、今現在も進行形なのである。

会社を絶対に潰さない、潰したくないのなら、勇気を持って、手形取引をやめて通常の取引形態に移行していかなくてはならない。が、現実はそうではない。