㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

経営における重要なものの1つに「販売価格」がある。
この価格の単価1つで、経営が左右されるのだから、非常に重要なモノではあるが、この価格は、会社が決めているようでそうではない。価格は、マーケットで決まるのである。
自分で価格を決めることができないのは、どの業界も同じである、ということ。

価格は、どうやって決まるのか?

需要と供給のちょうど真ん中で決まる。
欲しい価格と、売りたい価格のちょうど真ん中で決まる。
高いと思えば、買わないし、安いと思えば買う。そうやって価格は決まる。いくら自分で値段がつけられるといっても、高く売るのは至難の技、というか、ほぼ無理である。
一例でいえば、高級食パンが一斤800円や1000円で売れていたが、一転800円は高いとなれば、高級食パンは売れなくなった。その結果、フランチャイズ店は今やバタバタと潰れている。これが事実である。

経営者は、この販売価格には非常にシビアに見極めなくてはならない。高すぎてもいけないし、安すぎてもいけない。さらには、ライバル企業との競合もある。牛乳の世界でいえば、一昔前は、乳業メーカーにとって飲用乳(牛乳)が利益の源泉であった。飲用乳で稼ぐスタイルだったのが、今や大手メーカーの牛乳はスーパーの店頭にはほとんど並んでいない。並んでいるのは、他のメーカーの安い牛乳であり、ほとんどが低脂肪牛乳である。乳業メーカーは、今は、ヨーグルトや加工品に利益をシフトさせているのが、店頭の品揃えや、各社決算書からも分かる。
売り手がいくら高く買って欲しくても、その価格が許容を超えれば売れない。
これが、マーケットが価格を決めている理由そのものである。

販売価格を決めるというのは、大企業でも相当難しい。さらには、一時は決めて上手くいっても、その後、変化する可能性は常にある。これに対応するのも難しい。非常にシビアなことである。