㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

高度経済成長を経て、経済的な豊かさが、職業観を壊している。今現在、働いている人の多くの職業観は、壊れていると思った方が良い。これは、サラリーマンだけではなく、経営者も一緒である。

たくさんの給料が欲しい、早く帰りたい、休みが多い方が良い、楽をしたい、という事を当然のように考えている。たくさんの給料が欲しいなら、たくさん働かなくてはならない、のだが、そもそもが矛盾していることにすら気づいていない。
アメリカでは、取締役などは、時間がないので、ランチ、昼食の中で会議をしたりする。それが、今は、パワーブレックファーストといって、朝食の中で会議をすることもある。それも時間は7時00分からである。

こうした職業観を社員に植え付けるのは、非常に難しい。なぜなら、自分の「矛盾」には気づかないからである。他人の矛盾には気づけても、自分の矛盾には気づけない。さらには、自分の矛盾を他人から指摘されると、怒ってしまう。余計に気づけない。
この基本的な「意識」を変えていくことから始めなくてはならない。

非常に立派な目標を掲げている、にも関わらず、やっている事が休みだらけ、レスポンスが遅い、プライベートの充実を掲げている、などなど。個人の人生観ならそれで良いかもしれないが、会社を預かる経営者がそれでは、経営にならない、のである。これは、一次産業だからという特別な問題ではない。24時間営業のコンビニだってそうだし、他の職種、どんな職種でも、誰かが責任を背負っているのである。
その事を、経営者自身も含めて、社員に対してもこの職業観というものを植え付けていく作業というものは、非常に重要な事である。全員が理解しているからこそ、全員一丸となって、会社の発展に取り組めるのである。