㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

ちょっと頑張って、それで成功できるなら誰でも上手くいく。儲かることが簡単なら誰でも儲かる。飲食店廃業率が1年で50%、10年で95%というデータがネットにあったとしても、毎年、数多くの人が開業している。誰でも調べればすぐに分かるデータだけど、それでも「自分だけは大丈夫」という自信のもと、スタートしてしまうのだろう。
経営の難しいところは、「簡単に儲からないけど、やるしかない」と、自信を持って良いところと、自信を持ってはダメなところ、この矛盾を両立させるところにあるのだろう。

社員教育のその際たるもので、社員に対して、毎回違う話しをするのがダメな経営者で、毎回同じ話しをできる人が良い経営者、ということ。これを理解できる人は少ないと思う。
「何度も同じ話しを聞いている」と言われるのが、いやで違う話しをしても、人は1度聞いただけで実行できるはずがない。
これは、「注意喚起」が典型的で、1度だけ、注意喚起しても覚えている人はほとんどいない。毎年どころか作業開始のたびに、何度も何度も同じ注意をしなくては、絶対に覚えることはできない。何年もやっている作業だから・・と、この注意喚起をしない経営者がほとんどだと思うが、社員(経営者も)というものは、少しでも作業手順を省きたいし、サボりたい生き物なので、同じことをやっているつもりでも、少しずつズレていく。段々と、抜いてはいけない工程を抜いていく、それが後々の大事故に繋がりかねない、という意識が、経営者側にあるだろうか。
毎年、同じ工程を始める過程で、必ず注意喚起している管理者はいるのだろうか?
毎年、同じ注意を何度もできているのだろうか?

楽して儲からない、理由には、経営に必要な事に「しつこさ」があるからであろう。良く言えば「継続」、俗的に言えば「しつこい」。できなくなるまでやる「しつこさ」があれば、大抵のことは、最後に上手くいく。
でも、途中で、「疲れた」となり、手を抜き、やめてしまう。不安に駆られ、やめてしまう。この「しつこく」やる、というのは、本当に厳しいものだと思う。
他人から罵倒され、バカにされ、見捨てられ、それでも「続ける」というのは、本当にしんどいことだと思う。
簡単に儲かることを一度覚えてしまうと、この「しつこく」やることがバカバカしく思えてしまうものだ。
1年や2年で、結果を求めること自体が愚かなことなのに、いつの間にか忘れてしまう。経営者なら、常に「楽して儲かる方法はない」ということを肝に銘じておかなくてはならないと思う。