ニュージーランド酪農といえば、放牧、というイメージしかない。僕もそうだった。しかし、ニュージーランド酪農の歴史を見たときに、面白い内容が多い。それが、我々の今に役立つ内容である、と思う。
1985年以前と以後
1985年以前、ニュージーランドでは農業への補助金は、世界でも有数の金額であったそうだ。それが、1985年その一切が撤廃された。その結果、何が起きたのか。農家の選択肢は、2つ。1つ目は、農場や農地を売って離農すること。2つ目が、生産性を上げて利益を増やすこと、この2つしかない。
この1985年の補助金の撤廃を受けて、それから生き残った農場は、2を選択して、イノベーションを行った。その生産性は、2020年現在、およそ1.4~1.6倍にまで増えている。ニュージーランドには、人口がおよそ480万人しかいない。そこで作られた生産品は、人口にして4000万人になるため、必然的に海外への輸出がメインになる。如何に海外で売れる製品を作るか、第一に価格を決めるのは我々ではなく、買う側、需要側という認識を持って経営している、という点であろう。そのためには、やれることは全てやる、という考えの中で、徹底的にコストの見直しを行ったようである。その中の1つの方法が、「放牧」であった。
ここに今の日本の酪農情勢を生き残る術がある。「変わる」ということ。「変わらなくならない」変わらなくては、生き残れない、ということ。政府や補助金に期待しても、それがどんなに高額であっても、会社経営としてそれが経営を助け生き残る手助けには決してならない。経営者が、自分の経営を見直して、変わる、選択をしなくては生き残ることは決してできないということである。その1つ実例であろう。
