(株)DCFサービス 酪農コンサルタント 代表中野です。
ある日突然、売上が無くなってしまうという「リスク」これはどの産業にも起こりうるのでしょうか?今現在、酪農産業においても「牛乳」が余って廃棄するかもしれないという「リスク」(今のところほぼほぼ回避されたと思いますが)が、いつ起きないとも限らないという事が、今回のコロナショックにおいて立証されてしまったわけで、それに対してどう対処するのか?を経営者は皆考えておかなくてはなりません。
それらを先日あげた課題3つに連動させて考えていきたいと思います。
・人件費の問題・・これはリスク以外の何ものでもないと考えます。ただ酪農の場合、相手は生き物、だからこそ毎日の人件費を予め計算しておかなくてはなりません。また、最悪の場合、休業となった場合、もしくは、コロナによる解雇となった場合、休業補償(60%)か解雇となれば間違いなくトラブルの可能性はあるでしょう。
先日の経営者も「解雇はできない。今まで頑張ってくれたから・・」と言っていましたが、本音は違うと思っています。経営において評価は過去ではなく未来にあるからです。つまり投資になるわけです。だから、過去どうだった・・という事にあまり意味はないと僕は思っています。
・家賃交渉の問題・・いわゆる固定費の問題ですね。酪農においては交渉相手もいません。全ては自分のモノなので、これに関しては検討余地は無いかもですね。ただ、飲食店経営など借りて事業を行う場合、元の状態に戻して返すというのが条件になっています。その費用は簡単に100~200万はかかるでしょう。であるならば、今後は最初の契約から居抜きやリースを検討しながら試算していくべきでしょう。今後そういったビジネスが増えると思います。
・新たな融資の検討・・運転資金問題ですね。出資を受けるという事は、経営の一部を他人に渡すという事になります。自社株を買い戻せるという保証はどこにもありません。酪農経営の多くの場合、そういった機会は少ないと思いますので、あまり検討には値しません。
が、運転資金は非常に重要です。
今回のコロナ融資に関しても、政策金融公庫の融資は窓口が溢れ、今は平気で3ヶ月待ち状態です。3月頭ならまだまだ空いていたようですが、判断の遅れで簡単に3〜6ヶ月は遅れます。また、その判断の遅さも金融機関は評価の対象にしてきます。本当に困ってから対応しようとするのでは遅いのです。あなたがお金を貸す場合でも、お金が無くて困っている人にお金を貸すって事はリスクがあると思いませんか?もしかしたら返ってこないかもしれません。
実際、民間でも貸し付けを行なっていますが、この辺りの経営感度の差で融資のスピード・規模・条件に差が生じてしまっているようです。
経営者として本当に気をつけなくてはいけません。
あなたの経営の参考になれば・・・