(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

あの世界時価総額No.1、200兆円超えのアップルがアップルカー生産に乗り出したとニュースが流れている。その影響は凄まじく生産委託報道が「日産」「マツダ」「三菱自動車」の名前が挙がった途端、株価が3つとも10%近く上昇した。
実はアップルだけではなく、Amazon、Google(ウェイモ)、百度(バイドゥ)などGAFA企業が生産に乗り出している。どうして、アップルが車の製造を始めるのか?そこには国家レベルの思惑がある。

この発表を受けて世界最大級の自動車メーカー「トヨタ」の社長は「車は30,40年と商品として市場に出回ります。車を作ることは技術があればできますが、40年間ユーザーや色々な変化に対応する覚悟は持っていただきたい」と発言している。

今現在の車の構成は・・・
・エンジン車・・ガソリン
・HVハイブリット・・ガソリン+電気
・PHVプラグハイブリット・・ガソリン+電気(電池搭載)
・EV電気自動車・・電気(電池搭載のみ)
・FCV水素燃料自動車・・水素燃料

なぜ?アップルは自動車産業に乗り出すのか?
→ 世界の本音と建前は別にあるが、環境問題と温暖化による規制が始まっている。続々とエンジン車を禁止にしていく流れが加速する。この2つは建前としての理由で。この規制の中で、産業として魅力的な「自動車産業」をどの国が奪い取るのか?という国レベルでの国家間競争になるというのが本音。
この誰が覇権を取るのか?に「アメリカ」と「中国」が覇権争いに参加するという意思表示に他ならない。正直、既存のエンジン車ではハイブリットも含め、日本の自動車産業に勝てないというか、勝てたとしてもそこまで恩恵は少ない。せいぜいシェアが増える程度のもの。しかし、EVシフトとなればここで大きくリードできれば世界の車産業を網羅することができるのでは?というのが、彼らの狙いだと分析されている。

日本以外の国々がヨーロッパまでもが、EVシフトに動いている。これも、フォルクスワーゲンやベンツなど既存の自動車メーカーでは、トヨタに勝つことは難しいために、新しいフェーズでまた一からやり直そう!という話しが根底にある。

ここで日本の自動車産業がどう動くのか?新しい市場に向けてどう動くのか?環境問題という免罪符をもらった他国のメーカーがどんどん「規制」という武器を手に攻められるのに対し、どういった手段を取るのか?かが試されている。