㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
バルト三国の1つ、エストニアはデジタル政策をどんどん進めている国として有名。その中でも、電子国家と言われるが、その内容とはどんなものなのか?
電子国家= e-govermentと呼ばれる国民データベースによって、国民はICチップ付きのIDカードによって、全ての行政サービスを受けることができるようになっている。
行政インフラのデジタル化とは、どんな状態なのか?が分かると思う。解説していく。
行政インフラのデジタル化と聞くと、なんとなく最新機器で・・・みたいな未来的な発想をしてしまうが、そうではない。簡単に一言で言ってしまえば、行政サービスが非常に整っている・・ということ。
具体的にいうと、システムを動かすOSを、国家が運営しているということ。このデジタル上で管理することで、国民は国民IDを使って簡単にサービスを提供したり利用したりできるようになる。そのデータの安全性については、政府が保証するというわけだ。データベースを上手く利用できれば、民間企業がどんどん新しいサービスを発信できるようになる、非常に便利なモノ。
そこで、「X-Road」と言う分散したデータベース間の情報共有を安全に行う技術を導入している。
SE的な説明をしてもちんぷんかんぷんなので具体例で説明すると、例えば、違う病院の診察記録、カルテ、患者のデータベースを、個人として共有することができたり、そういった情報から病気の新しい治療法を模索したりできる。これが、病院だけではなく、警察、刑務所、弁護士、不動産、裁判記録のシステムとも連動していて、業務の効率化に繋がる。
ここで一例を挙げると、会社経営していると分かるのだが・・・税金を払う行為1つとっても、税務署(所得税・消費税)、年金事務所、社会保険事務所と分かれており、それぞれでバラバラに管理されている。無駄。
エストニアがこういった政策をとった背景には、1つが隣国との関係性がある。ソ連時代からロシアへと、戦争などに巻き込まれいつ国がどうなるのか?わからない状況のため・・という理由がある。もう1つが、エストニアが若い国であるということ。ゼロから国家を作る事ができれば、こういったデジタル政府も作りやすい。もしくは、独裁体制でもだ。
今の日本では、それぞれの規制の壁が存在しているため、その分人手とコストが余計にかかり、それでいてサービスが悪いという悪循環になっているのだが、これを壊せる政治家は多分1人もいないだろう。