㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

乳価に関して、酪農家は「なんでこんなに生産原価が上がっているのに」という気持ちの方が多いと思う。では、価格ってどう決まるのか?

おそらく2022年度の乳価は据え置きだろう(2022.02現在)。この据え置きに対して、多くの酪農家は「なんで?」と思っている方が多いと思う。飼料は高騰して、添加剤まで上がり、燃料も上がり、人件費、購入機械など全ての製造原価が上がっているのに・・・なぜ?乳価が上がらないのか?と思っている。
さらには、これに合わせて乳業メーカーが、値上げをして、企業の利益が増収となっている・・なんて情報を知れば、火に油を注ぐ・・状況になるでしょうね。

「自分達、酪農家から搾取して、企業が利益を出している」という妄想に取り憑かれるヒトも多いでしょう。

大前提として、企業が利益を計上するのは、経営を存続していくための手段であって、どんなに原価が上がっていようが、どんな理由や原因があろうが、利益を出さなければ、金融機関との関係を考えれば当然の結果である。じゃないと、企業の経営が存続できないから。乳業メーカーの理屈はこれである。

では、なぜ?乳価が上がらないのか・・これは、脱脂粉乳の在庫が積み増しされているのが原因の1つではある。が、もっと大きな理由が、価格を決めるのは誰か?ということである。これは、酪農家 → 指定団体 → 乳業メーカー → 消費者 の流れで「売れる価格」である。それにとって決まるのである。
我々側に立つと、どうしても「原価が上がっているのだから値上げをお願いしたい」という理屈を出したくなるが、それは市場原理には通じない。価格を決めるのは、供給側ではないのだ。特に、生活必需品である牛乳は、消費者の価格動向の影響を受けやすい。他の商品と併せて・・みたいな理屈で価格が変更される。

1つ、訂正をしたい。乳価が据え置きという話しをしたが、おそらく実質、値下げだろう。〜〜〜対策という、名目のもと、既存の在庫を調整すべく舵を切ると思う。問題は、いかに反発が起きないようにするか?というようなくだらない理由だろう。この可能性は、酪農経営者なら当然把握しておくべき事実である。