㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
経営として投資をしようと考えた時、金額の小さいものにためらう経営者は少ないです。それは、何年で返済、何年で償却できる、など計算がしやすいからです。
この投資金額が大きくなると、途端に「リスク」が大きいという話しになります。そして、「リスクが大きすぎるため、やめる」となるわけです。こういった話しは、非常に多いです。
今から10年前、自分は酪農経営者、35歳。よし、牛舎をやろう!でも・・、まだ経営を引き継いで3年だから、もうちょっと待とう。よし38歳、そろそろまた考えよう!うーん、オリンピックが近いから、建築コストが高い、今じゃないな。40歳、よしやろう!あれ?コロナ・・・うーん。もうちょっと様子をみよう。42歳、そろそろ年齢的にまずい。え?生産抑制・・・できないか〜。
45歳。年齢的にもう無理だよね!今のまま頑張ろう!
というあるあるストーリーです。
ここでいうリスクが大きいとは、「不安が大きい」と同義語であるわけです。その不安がなんのか?をしっかり考えなくてなりません。多くの経営者は、不安で、思考停止しているだけです。
決して、リスクを恐れるな・・と言っているのではありません。
リスクを計算して考えろ!と言っているのです。
ここでいう計算とは、リスクの真の部分がどこにあるのか、と、そのリスクがどのくらい大きいのか、ということです。
できない理由を並べて、それを正当化する議論を作ることを「リスクを計算した」と勘違いしているかたが多いからです。
では、先ほどの方の「リスクを計算する」とは、やる場合のリスク と やらない場合のリスクを、これを天秤にかけることを計算する、と言います。
牛舎をやるリスクは、本人が忙しい、人を雇用する、餌を増やす、借金が増える、これは、目の前の経営だけを見ていると、リスクしかありません。ここで重要なのは、長期視点です。あと何年やるつもりなのか?ということです。あと10年なら今のままがいいでしょう。あと30年やるなら?30年やれる覚悟がないのなら、やらない方が良いでしょう。
僕は覚悟がないのなら、本当にやらない方が良いと思います。