㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

経営者がいて、家族経営の場合、家族がいて、そして、社員がいる。そうした中で、本気で「会社のために」と考えいるのは、経営者を除いていません
特に、社員が「会社のために」なんて、絶対に考えていません。彼らが考えているのは、「安定したお給料」がもらえること。そして、将来、給料が増えたらいいな、です。

なぜなら、社員は経営者の劣化版になるからです。
考えてみてください。経営者よりも「やる気」のある社員がいたら・・・いるわけがないですね。なぜなら、経営によって得た利益は全てオーナー(株主)のもの、ということが本能でわかっているからです。自分がどれだけ頑張っても、自分の利益が増えるわけではない・・からです。
だからこそ、経営者は社員に対して「会社の利益が、労働分配によって、社員の給料である」ということを説明しなくてはなりませんが・・・

経営者、社長が100%だとしたら、社員は80%?いえいえ、40か・・・50もあったら良い方でしょう。家族?家族も50くらいでしょう。ましてや、農協をはじめとした関係機関は、10か20でしょう。
本気で経営を!と考えているのは、経営者だけです。
だからこそ、経営者が本気にならなければ、経営が良くなることはありません。
経営者が他責で、「自分は必死にやっている」「自分は悪くない」「ーーがあった、ーーがあった、だから仕方ない」なんて、思っているのなら、社員だって、「自分は悪くない、ーーが悪い」と思うはずです。自分が悪いなんて、絶対に思いません。

会社のことを本気で考えることができるのは、経営者本人だけです。資金繰りを必死に考えるのも経営者だけ、売り上げをあげることができるのも経営者だけ、経営者自ら動いて、社員の5倍やって、初めて、社員がついてきてくれます。
稲盛和夫さんも、永守さんも、会社の危機には、自らが営業本部長になり、自ら売り歩くそうです。今ここで売り上げを上げなくては・・という時に、誰がリーダーシップを取るのか、それは、経営者本人です。経営者自らが、率先しなくては誰もついてくるわけがありません。

酪農経営環境はこの先も良くなる兆しはありません。酪農経営だけではありませんが、車業界だって、EVの流れが加速する中で、部品、修理あらゆるところで淘汰されるし、家建築だって、空き家問題が噴出して、価格も高騰して、建築数も減っています。ローン破綻する人も増えています。
そんな中で、支援の財源も底をつき欠け、安定基金は減り、支援金、補助金も徐々に減っていきます。今、このコストが当たり前、もしくは、まだまだ上がる懸念さえあります。
こうした状況を、経営者としてどうするか?
「誰かが助けてくれる??」そんな訳がありません。経営者自ら、旗を振らなくてはなりません。誰も助けてはくれませんよ。