㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

経営において、どんな業態であれ「楽して儲かる方法はありません」。ですが、すぐにこの「楽して儲かる方法」を探したくなります。経営者自身は、楽して儲かると思っていないように思っていても、他者から見たらそう見える・・なんてことはよくあることです。
例えば、事業拡大を続ける先に、困難な道を避け、より安全な道を選択する。これはよくあるパターンであり、一見すると、よくよく考えられている・・と錯覚しそうになります。が、これは見方を変えるだけですぐに見破れます。

「より戦略を持って、わざと赤字経営にしている」赤字と黒字のどちらが難しいのか?
「わざと乳量を落として、経費を抑えている」乳量を減らすことと増やすことのどちらが難しいのか?
こうして、1つ1つをYes,Noで考えてみると、すぐに見破れます。
自分を正当化して、いかにも自分が正しいかように装っても、経営は許してくれません。経営の相手は、対「顧客」であるからです。

教えなくても仕事ができる人材なんていませんし。カネがなくてもできる経営なんてものも存在しません。仕事が1日5時間で、素晴らしい経営ができる・・なんてこともありません。
経営者なら徹底的に自分に言い聞かせなくてはなりません。
「楽して儲かる方法はない」「楽して儲かる方法はない」「楽して儲かる方法はない」
今、経営が悪くなっているとしたら、これから経営を良くしたい!と考えているのなら、誰もがやりたくないけどやらなくてはならない仕事を、経営者自らが実践し、行動で示すしかありません。
経営者自身が、楽しても儲ける方法を探しているのなら、自分の周りもそういう人間になっていく、それが会社というモノです。

こんなエピソードがあります。
世界的に有名なピアニストと飛行機の中で一緒になることがありました。
そのピアニストは、音の出ない鍵盤の紙を持ちだし、飛行機が離陸してから2時間練習していました。そして、機内食を食べて、それから、3時間練習して、休憩を挟み、その後、5時間練習していたそうです。
「なぜ、そんなに練習するのですか?」
「一年365日、練習が欠かせない」「1日休むと自分で分かる」「2日休むとパートナーが分かる」「3日休むと観客が分かる」と答えられたそうです。
世界的に有名なプロですら、この意識です。
プロの世界というのは、地道な練習を継続する以外に方法はないということです。