㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
油断、慢心・・・経営者は常にこれらと戦わなくてはなりません。今回のコロナ牛乳ショックに関して、事前に「キャッシュ」の確保をできた・・・だから、安心・・ではありません。
キャッシュフローが安定しているから、安心でもありません。常に安心できる経営などないということが、今回の不況でよく分かったと思います。
キャッシュが減っていく「恐怖」を身にしみて、実感できた方はよーくわかるでしょうが、重要なことは、キャッシュを生み出す利益をきちんと作ることができるかどうか、ということだということです。
キャッシュが増えるための利益をきちんと作れるかどうか、が重要だということです。
キャッシュフローがあれば、確かに経営上、安心はできます。しかし、この安心は、今すぐ潰れない・・というだけなのです。経営において、毎月のキャッシュを減らすか増やすか、これは天と地ほどの差がある、ということなのです。
そして、キャッシュが減るのであれば、それは将来のジリ貧を意味しています。このままで良いはずがありません。何がなんでもどうにかして、キャッシュを増やせるようにしなくてはなりません。
ところが、キャッシュフローに余裕があると、この危機感、切迫感がどんどん薄まっているように感じるのです。「潰れる夢」を見て、飛び起きた・・というような、追い込まれた感が薄いのです。
これは、キャッシュに余裕があるはずだ・・という油断以外の何者でもありません。油断するほど、今の酪農情勢が緩いわけではありませんよね?これから先、緩やかに、さらにコストは上がっていきます。補助金などは、どんどん減らされていきます。現状の今がMAXなのです。増えることはありません。
苦しい苦しいと言っている今が、これから先スタンダートになっていくことは、規定路線です。円安も止まりませんし、今から100円に戻るなんてことはありません。ということは、辛い辛いと言っている今が、この先ずっと続くということです。一方で、乳価はどうなるか?といえば、これも大きく期待はできません。
なぜなら、酪農経営が厳しいと同時に、他のあらゆる産業も厳しいからです。上がってしまった、電気代を価格転嫁できない企業はごまんとあるでしょう。
同じように、苦しんでいる消費者に対して、やたらめったら値上げは強行できない、これが大筋の流れでしょう。緩やかに上がるとは思いますが、これは徐々に徐々にです。
これらを想像してもまだ「なんとかなる」と思いますか?
もう、余裕などありません。
今、この時、必死にならなくては、経営を維持することはできません。