㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
以下、ユニクロ柳生さんの個別で抜き取った箇所です。
僕は常日頃から会社というのは、何も努力せず、何の施策も打たず、危機感を持たずに放っておいたら潰れる、と考えている。常に危機感を持って会社経営する事が正常なのである。「正常な危機感」とでも言おうか。
会社経営をしたことがない人は、危機感がなく順風満帆なことが正常だと勘違いしている。危機感を持ちながら経営しない限り、会社は継続しないし、「いつも危機」と考えて経営しないと意地や継続さえでもできない。
危機感と不安は違う。不安とは漠然としたものであり、先の見えない状態のことである。対して、危機感は、「解決することができれば、利益に繋がる」ものである。危機感を解決する事ができれば、必ず、利益に繋がるのです。
今の高コストでも、利益の出る経営をどうしたらできるのか?・・危機感である。
この高コストはいつまで続くのか?・・ただの不安である。
前者は、このコスト高でも「キャッシュが増える利益」を作れたのなら、それは、会社にとっての大きな財産であり、達成できることで信用が大幅にアップするのは間違いない。
さらにその先を考えると、もしも、仮にコストが将来下がったときには、大幅な増益が見込まれるのである。
これが危機感が利益に繋がる理由である。
しかし、多くの経営者は、これに耐えることができない。危機感は利益に繋がるという理屈はわかったとして、その「利益に繋げる作業」というのは、とんでもないことだからだ。明日からすぐにできることではない。この利益に繋げる作業というのは、地味でコツコツを積み上げていくことでしか解決することはない。
たとえ、一時的に利益が増えたとして、それが来年も再来年も続くのか?ということが重要なのである。単発の100万円よりも毎月の10万円の方がはるかに意味が大きいのだが、その10万円の利益は、既存の事業に埋もれ、浮き上がってくることはない。しかし、毎月コンスタントに10万円の利益を積み上げていくことの方がよっぽど尊いのである。そして、その10万円を11万円、12万円と増やせるように努力し続ける。
これを続けるのには「勇気」がいる。
実際に今の酪農経営がそうだろう。和牛で1発当てる、高い受精卵が1発で停まれば、それが50万円に化ける・・・という目論見だったが、現実はどうか。受精卵の受胎率は、通常の授精よりも当然の如く低い。今期20個全て、未受胎になったという話しも聞いた。さらには、和牛相場は軒並み下がっている。
本気で、和牛事業として開始するならば、もっと長期視点で考えるべきであろう。なんとなく初めて、一発逆転のような発想では決して儲かることはない。