会社が潰れる時というのは、必ず前兆や兆候がある。
昨日まで、順調にやっていた会社がいきなり潰れるということはまずあり得ない。
「仕事のミスが増えた」「社長の夜遊びが激しくなった」という、少しずつ少しずつ、仕事に対する精度が低くなっていく。
その結果、利益が減り、キャッシュが減り、いよいよとなって潰れる。
いきなり潰れるということはほとんどのケースでない。
これは、従業員に対しても同じことが言える。
「これくらいのミスなら」「たかが1万円のミスなら」という甘えが、気づけばどんどん増えていく。それがやがて致命的な失敗へと繋がっていく。
そうなってしまえば、その従業員にとっても不幸なことと言える。
最近は、SNSを見ていても「給料は高いけど、きつい仕事はしたくない」「早く昇進してレベルの高い仕事がしたいが、責任と取りたくない」そうなっていない世の中がおかしい・・という論調さえある。
確かに理想的なモノだと思う。
しかし、冷静に考えて、そんな理想が存在するのか。
給料が高いけど、キツくない仕事・・あるのか。自分が目を逸らしているだけで、実際には取締役や社長となれば、休みもない、時間も夜まで、いつでも電話にでる、そうしたキツい仕事をしているものである。
冷静に考えればわかるようなことでさえ、ちょっとネットで転がっている発言に騙されてしまうのが、今の時代である。
現実には、そんな誰もが理想とするような仕事はないし、レベルの高い仕事=リターンが大きい仕事には必ず責任が生じる、そもそも経営者には、社員という大きな責任が必ず存在する。
その社員が、こうしたような「楽して稼ぎたい」なんて考えて普段の仕事をしているのであれば、その会社の未来はないであろう。
そんな社員を変えるためには、経営者が変えるしかない。
酪農業界に限らず、営業マンの世界には常識とされることがある。牧場でも会社訪問でも、その一歩目で感じる「雰囲気」で経営が良い悪いかの良し悪しがわかってしまうのである。
後々になって、その「直感」は当たっていることが多い。
言われてみれば・・ということが、節々に出ている、ものなのである。
その悪い習慣に気づけるかどうか、経営者が変わらなきゃいけない理由もここにある。