㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

経営者の責任は、支払い続けることである。
円安、インフレによってモノの価格は跳ね上がっている。資源を持たない日本では特に、コモディティー関連、燃料、食料品、輸入機械、全ての価格が驚くほど上がっている。わずか2年前と比べて、20%も30%も上がっていると、支払いに躊躇したり、戸惑ったりするかもしれない。
しかし、経営者は、払うものは払う、支払いを続ける義務があるのだ。

確かに、高くなってしまった。何もかも。
燃料もそうだし、肥料も、エサも、人件費だって社会保険などの税金も徐々に上がっている。それは分かりきっているが、それでも払わなくてはならない。払うことをやめたとき、つまりは「やらなくてはならない経費」を止めたときに、自分の経営は淀んでいく。淀む?とは、自分の経営の芯がズレ、ズブズブになる。
当然、経費の支払いを止めれば、その瞬間の支払いは楽になる。ところが、遅らせた支払いは、何倍もなって、突然、牙をむく。その時に、それだけの突風に耐えられる体力(資金)があるのか・・・ないだろう。
苦しくても、辛くても、経営には止めてはいけない支払いがあるのだ。それは、続けなくてはならない。続ける必要ないものは、最初からやる必要性はない。

実際の経営を見ていると、手に取るようにわかる。
必要な経費の支払いを滞らせるていると、経営者の頭の中は、何が何だか分からなくなる。周囲から見ると、明らかに矛盾した行動をしているようにか見えない。今、やらなくてはならない1番重要な仕事は?という時に、私的なプライベートを優先させたり、自分の都合を優先させたり、お金の使い方を見ても、混乱しているとしか言えないような状態になる。これでは、経営にならないし、ここから這い上がることも、非常に困難であろう。残りの経営は、惰性でしかない。

経営者は、どんなに辛くても経費も給料も払い続けなくてはならない。