7月の猛暑と旱魃。8月の長雨。さらには暴風雨。北海道だけでなく、日本各地で、自然災害が同時多発で発生している。農業分野での経営状態は決して良いとは言えない。そうした中で、今まで投資してこなかった機材が悲鳴をあげ、次の投資をしなくてはならない時期にある機械も多い。
最悪である。
しかし、こうした不況下でこそ、経営者の資質が問われるのも事実である。

過去から振り返ると
経営者として、何をしてきたのか?が問われている。経営の世界は、結果論である。何を努力したかの「過程」は、大事である。が、その過程よりも「結果」がどうであるかしか評価されない。評価するのは金融機関である。この評価、結果を持って、融資するかどうかを決めるからである。
結果を出すには、過程が大事である。今まで何をしてきたか。どんなやり方であったのか。キャッシュを増やすことができたのかどうか。めんどくさいなどと言わず、やるべきことをコツコツやってきたかどうか、がこういう時に問われる。楽して儲かる方法などないのだ。無尽蔵に溢れるキャッシュなんて存在しないのである。一見すると派手に儲かっている経営も、蓋を開けてみるとキャッシュが枯渇しているなんてケースはザラにある。周囲の「あそこは儲かっている」ほどあてにならないものはない。自分が羨むほど儲かっている経営はない。苦しい時をどこまでも我慢できるかどうか、経営者には我慢が必須である。

現在と未来を
この最悪の状態から、どうやって復活するか。
といっても、ウルトラCのような一発逆転できる方法はない。やるべき事をやる。1つ1つ確実にやる。失敗したら同じ失敗をしないように、改善してまたやる。「すぐやる、必ずやる、できるまでやる」のである。
その時に、明確な目標が必要である。この時、売上目標がいくらとか、利益目標がいくらとか、そういうものではない。10年後、20年後の将来像が必要である。その高い目標に向かって、これから先も努力していく、そういう目標が必要である。だから、頑張れる。そして、こうした不況下であって、その前向きな爆発的エネルギーを作れるのは経営者しかいない。経営者だけが、このパワーを作れる。「自然災害だったから」「天気だけはどうしようもない」という言い訳をしても、誰も助けてくれない。そんな無駄な言い訳、愚痴を言わないで、前を向くパワーを持ち続ける、発信し続ける、それが強い経営者である。ここで経営者の資質が問われるのである。