経営の基本は何か
経営の基本は、キャッシュフロー経営である。キャッシュフロー経営とは、潤沢なキャッシュを抱えて経営することである。「潤沢なキャッシュ」とは、理想は月商の6ヶ月分、現実は月商の2ヶ月分、これだけのキャッシュを確保しながら経営すること。
では、現実はどうか。
現実の経営では、中小零細に限っていえば、赤字経営が7〜8割の中で、キャッシュを2ヶ月分以上保有している会社は、2割あるかないかだろう。ほとんどの会社が、売上金の入金が入ってから経費の支払いをしている、これが現実である。
なので、売上が思うように伸びなかった・・・もしくは、売上代金が入金されなかったら、支払いができないのである。これでは、経営にならない、話しにならないのである。
今現在、自分の会社は大丈夫!なんて、勘違いしている経営者は要注意である。キャッシュ2ヶ月分なんて、ちょっとした経営のミスであっという間に溶ける。ミスを2回すれば、溶けてしまう金額である。これで大丈夫!と勘違いしているなら、本当に気をつけた方が良い。キャッシュが減る時は、驚くほど溶ける。今は大丈夫でも、2、3年後の将来は分からない。いつそうなってしまうか、不安と緊張を常に意識して、経営しなくてはならな。
経営者は、このキャッシュだけは、敏感に臆病にならなくてはならない。誰かに大丈夫!という無責任なことを言われて、信用してはいけない。
「経営が悪くなった時に助けてくれる金融機関はいない」このことを肝に銘じておかなくてはならない。
よく誤解されるのだが「赤字でもキャッシュさえあれば大丈夫」これは事実の1つではあるが、だからといって赤字のままでいいわけがない。黒字にならなくてはならない。それも真の実力で。見せかけの売上や利益、操作された決算での黒字ではなく、会社の実力での黒字、この黒字から生まれるキャッシュを増やさなくてはならないのである。
こうした実力での黒字を達成できる会社はそう多くない。今大企業である会社は、実力の黒字からキャッシュを生み出して、そうやって大企業になってきたのである。
経営の基本は、キャッシュである。キャッシュが不足するなら、経営者が何とかするしかない。そのためには、日頃から、キャッシュに対する意識を研いでおかなくてはならない。
