(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

およそ10年前、「21世紀の資本論」という本が世界的ベストセラーになった。トマ・ピケティが書いた本だ。その中の、内容をより酪農経営に置き換えて考えていく。

トマ・ピケティがこの「21世紀の資本論」の中で書かれている公式が存在している。それが・・・

r > g

???なんのこっちゃと思うかもしれないが、わかりやすく解説していく。
この r とは、returnリターン、資本家が資産運用によって得られる利益率のこと。具体的に説明すると、株や不動産など、投資によって得られる利益の率のことである。
そして、g とは経済成長率のこと。これは、労働によって得られる利益率のこと。

これらが、「r」の率が4〜5%だったのに対し、「g」が1〜2%ということが、世界中のここ200年の経済データから分かったということ。さらにこの差はこれから先どんどん広がっていくということが「証明」された・・・という話だ。

今までなんとなく、お金持ちはずっとお金持ちなんだろうな〜と思っていたが、それが公式として証明されてしまったという事実。さらには、その差の「金額」ベースで比較すると、なんと資本家と労働者では4倍の差があるということ。労働者が年収500万とすれば、資本家は年収2000万という差があるということ。なぜ?こんなにも差が生じるのだろうか?

この原因と理由を、酪農経営で考えると、やはり投資しているのか?していないのか?になっていくと思う。家族夫婦2人で50頭搾乳しているのと、夫婦2人でもロボットやITを使って倍の100頭を搾乳できれば、そりゃあ後者の方が利益の額はすごいだろう。当然のこと・・・。
今まではなんとなくでしか、わからなかった投資の効果が公式で証明されてしまったというわけです。

この「r」には、株や不動産だけではない、投資が含まれると僕は思っています。さらには、お金だけでなく「時間」の概念も出てくる。どうしても、酪農経営においては、「r」よりも「g」の方が、答えが出るのも速いし、体を動かせばいいし、酪農に限った話しではありませんが、この「g」に重きをおきガチになります。
そうした中で、どれだけこの「r」に時間とお金を使えた者が勝ち残るのが今の経済の仕組みだと思います。

あなたの経営の参考になれば・・・