(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

デービット・アトキンソンという人物をご存知だろうか?写真の人物なわけだが、彼が菅内閣の成長戦略会議の議員として起用されたのをご存知だろうか?彼がどんな人物で、どんな発言を今までしてきたのか?を背景に日本の中小企業の事実をお伝えしたいと思う。

デービット・アトキンソンはあのゴールドマンサックスの日本支社で働いていたことで有名な人物だ。そんな彼が今は、日本の中小企業の経営者をしているわけだが、いち経営者としてこのように発言している。
「日本の中小企業およそ350万社は半分になった方が良い」
「最低時給を上げて、中小企業の足切りを開始するべきだ」
これを聞いた一般サラリーマンが、ひやっとするかもしれないが、経営者にとっては至極当たり前の事実を言っているだけ。

だって、今時・・最低時給?で雇用している会社なんてあるのか?北海道であれば861円が最低時給なわけですが、そんな時給で雇用なんてコンビニやパートの主婦くらいしかいないんじゃないの?と僕ら経営者は思いますよね?
そんな会社や企業が存在するのか?と・・
最低時給で1日8時間、仮に月22日勤務の場合、151,536円が北海道の最低賃金となるわけです。

今僕が住んでいる地域は北海道オホーツクの北見になるわけですが、その北見の中でも一流と呼ばれるような中小企業の大卒初任給がなんと17万円でした・・・高卒では14.3万円・・・他にも優良企業と呼ばれる企業の正社員の初任給は15万円からとなっていました。朝9時から夜の18時まで週休2日でこの給料です。
ということは、北見よりも小さい町ではもっともっと給料が安いのは当たり前の現実なんだと思います。
(信じられない方はご自分で調べてみてください。ホームページなどに載っていたりします)
現実はこれなわけです・・・

今の時代にどんな職種であれ、ネットを利用してコスト削減を測ったり、従業員の管理など、あらゆる業務に工夫を凝らせることができれば、こんな給料になんてならない・・と思います。
キツイ言い方にもなりますが、こんなところで働く方も働く方です。
でも、どちらかといえば人数の少ない「経営者」の方で法規制すれば・・・というのが政府の考えなのでしょう。

こんな給料体系や人件費だからこそ、2019年に商工会議所の会長が「最低賃金を1200円にすることを反対する」そうでなければ、中小企業で倒産する会社が出てくる・・なんて発想になるわけですね。
最低賃金の値上げは、一般的には「従業員のため」なんて思われていますが、政府の上層部では、企業の体質改善や規制緩和のためと考えている方が多い・・これがその理由となるわけです。

最後にキツイ物言いかもしれませんが、それしかお給料を払えないような「利益」であれば、それは世の中から必要とされていない仕事なので、無くしてしまった方が良い・・というのが資本主義の基本的な考えであることをお忘れなく。