(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

再生可能エネルギーといえば、ちょっと前までは火力発電や原子力発電よりもコストが高いことと、発電能力が安定しないことが問題視され、そこまでの需要がないというふうに揶揄されてきた。そんな風に思っていた1人が僕だ。
しかし、エネルギーの主役が王者である「石油」から「電気」へと変わったことで、つまり今世の中がガソリン車からEV車へ変わっていくように、エネルギー業界も変革が起きているというわけだ。その中でも・・・

石油メジャーという言葉を聞いたことがあるでしょう。世界中に散らばる石油権益を独占していると言われている企業たちのこと・・です。その代表格の1企業としてアメリカの「ExonMobil(エクソンモービル)」がある。この会社はGAFAに代表されるテック企業が台頭してくるまでは、世界時価総額のNo.1にもなっていたような巨大企業だ。その企業の時価総額がとうとう、米再生エネルギー企業「NextEra(ネクステラ)」に時価総額が一時抜かれてしまったという事件が起きた。

画像1

つまり、これは世界がエネルギー業界が変わったということを感じているというサインというわけだ。

ちなみにネクステラの売上高はまだまだエクソンの10%にもなっていない。にもかかわらず・・これはトヨタがテスラに時価総額を抜かれた現象と似ている。
さらにこの流れはアメリカだけに限らず、ヨーロッパでも再エネメジャーと呼ばれる企業が登場している。

「enel(エネル)」イタリア・・発電容量44GW(目標120GW)なんだかワンピースにでてくる名前だけどww

「Nextera energy(ネクステラ・エネジー)」アメリカ・・発電容量22GW

「Iberdrola(イベルドローラ)」スペイン・・発電容量34GW

「Orsted(オーステッド)」デンマーク・・発電容量11GW

これら企業はゼロからこういった企業を作ったわけではなく、もともと石油メインのエネルギー会社が先を見据えて、再エネ事業へ転換していったということ、これは僕個人としては驚いた。今現在も続く、石油全盛期にどうなるのかもわからない業界へ事業転換していく勇気を持っている人がどれだけいるのか・・・

さらに、日本にもこの再エネの企業「オーステッド」はすでに進出しており、下のような電気コスト試算まで出している。

画像2

現時点で・・グリーンエネルギーの方がコストが低く、さらには石炭を主体とした発電を2023年までに完全廃止する計画で彼らは動いているそうだ。

もしも、これが事実なら僕らが今まで認識していた「再エネはコストが高い」という認識は古いのかもしれない・・僕らの誰もが「石油は使うよ」と思っていたがその前提条件が崩れ出しているのかもしれない・・

日本では主に洋上風力発電が試験運用される見込みで、その高さは東京タワーよりも高いとのこと。オーステッドと東京電力ではすでに合弁会社を作り、その運用を千葉県銚子沖で開始している。

画像3

こういった背景があったからこそ、菅首相は「カーボンニュートラル」を宣言したということが理解できた・・という人も多いのでは?