(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
企業側はどうして人事異動をするのか?その理由は、2つ。「他の部署を知ることによる化学反応的 成長」と「その化学反応をもとに新しいことにチャレンジすること」この2つが理由であった。これは昔からゼネラリスト、オールマイティにそつなくこなせる能力、社内であれば「あいつに聞けばわかる」とか「あそこに話しを通さないとだめだ」とか、そういった能力である。ところが、コロナショックよりもちょっと前から、ゼネラリストではだめだ・・スペシャリストでなくては?という風潮に変わってきた、コロナによってそれが加速している。
その理由はなぜなのか?
企業の中で出世したり、社長や上司から好かれる人材は圧倒的にゼネラリストだろう。「広く、浅く」そして、いろんな部署の苦労も知っている、そんな存在は社内のコミュケーションも取りやすく、仕事の効率も上がるだろう。
だが、そんなゼネラリストよりも、今はスペシャリストに対する評価が高まっている。それはなぜなのか?
今までの日本の雇用では、間違いなくこのゼネラリストを教育する方向に、舵取りはされていたが、近年それが覆された。ゼネラリストの多くは、職種としてマネージャーなどの中間管理職が多い。全体を見渡し、コントロールする能力があるからだ。そこに、ITが入ってきた。ITはより正確に管理する。誰が何時間作業したのか?成果物はどれなのか?結果どうだったのか?さらには、リモートワーク化していく中で、「中間管理職が今まで何をしていたのか?」が白日の元に晒され、実は必要なかったのでは?という流れになっている。
給料を貰う側も、何をどれだけしたら、これだけの給料が貰える・・というシステムの方がはっきりして、良いのでは?そんな雰囲気もある。いわゆるメンバーシップからジョブ型へ、というやつだ。
ちょっと10年前までメンバーシップ型の方が良い!と思われていたのだ。これは絶対的に思われていた。もちろん、0か100の話しではないが、今はどちらかと言えば、スペシャリスト、ジョブ型に傾いている。
このメンバーシップ型の根底にある「思想」は、最後困ったら何とかなる!それは、人材があればなんとなる!という究極の「人海戦術理論」人は宝だ・・のような考えだからである。それが、ITによって、AIとデータによって、全てひっくり返った。今我々の生活を支えているのは、日本の企業ではなく、アメリカの企業であり、それは簡単にグローバル化していくということ。
ちょっと10年前は、ジョブ型を否定したのだ・・・なのに・・・