㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

最近のコンサルで何度も言っているのが
「不況は教えてくれている。今までのやり方が間違っているという事を」というのがあります。これは、先人たちの教えであり、今日の今まで、何となくの勘である部分があったのですが、今日の今、確信に変わりました。

新しいこと、今最新の技術や機械に関して、紹介・説明したところで、必ず99%は「できない」という理由で終わります。「・・・・だから」「・・・がかかる」という言い訳が必ず出ます。
言い訳は誰でもできます。「できない理由はいくらでもでます」
ましてや、自ら率先して自己否定をして、自ら行動を変えることができる人間は万人に1人でしょう。我々凡人は、誰かに言われて、怒られて、説教されて、諭されて、初めて変える事ができるかもしれない・・・レベルです。

今回の酪農不況ではっきりと確信が変わりました。世界と比較して、今までの日本レベルのコストではこの先、酪農経営はできない・・という事です。世界的に見ても、日本の生乳生産の原価は異常に高いと思います。結果、販売先の生乳が高くなる、消費減退で・・みたいなサイクルが続いています。
これに関して、飼料が輸入だからとか、補助金が足りないとか、マクロ(日本全体)的な話しではなく、自分だけの経営をみた場合、もっと長期的な原価低減をしていかなくてはならないと、今回の酪農不況が教えています。
いいですか、冷静に考えて、リットル300円を超える牛乳が一般消費者が変わらず買うかどうか・・・、僕は買い続けると思えません。牛乳以外の飲み物の選択肢が多いからです。小売でのマーケティング、自由競争に牛乳が勝てるとは思えません。ということは、今までそうだったように、これからも、そうなっていくと考えるのが自然です。

今よりももっと「投資」をして、長期的なコストを下げなくてはならない、ということです。そのためには、「できない理由」を並べている暇なんてありません。その時、重要なのは「行動・実践」することです。いくら御託を並べて、理想論を振りかざして、これは学者では有効ですが、経営者では全くの無意味です。
実力に結びついていないと意味がないし、実行を通じてまた学ぶ、これの繰り返しです。
最近思うのは、乳価が本当に上がるのか?という疑問です。これは、牛乳だけじゃありません。コメも卵も肉も全て一緒です。他の飲食店やどの産業でも一緒です。自分だけじゃありません。むしろ、他の産業を考えている余裕はありません。
自分の経営に全力でベットすべきだと思います。