㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

わかっているようでわかっていないISOBUSについて

ISOBUS(イソバス)について、トラクターに乗っていると最近よく聞くワードですが、実際にどんなメリットがあるのか?これから可能になってくるのか?ということを理解しておくべきです。

作業機のモニターがトラクターのモニターでも管理できるようになる。もちろん、それもメリットの1つではありますが、1番の違いはそれじゃありません。

まず、ISOBUSは、各種トラクターメーカーが集まって1つの規格をもって、作業機とトラクターのシステムを一括できるようにする・・という目的で作られたシステムです。例えば・・今日本の政府、各自治体ではそれぞれ異なるシステムを独自で開発、維持、メンテナンスをしています。そのために、税金が変わる、法律が変わるetcには、一括管理ではないためにシステム変更に莫大なコストがかかっているわけです。それをデジタル庁で一括管理できるシステムに変えるという流れですが、トラクター業界ではすでに国際基準でそれがされていた・・ということです。

このISOBUSは、対応機種であればメーカー問わず対応可能という点です。ジョンディアのトラクターとニューホの作業機でも、ISOBUS対応であれば連結できるというシステムというわけです。では、システムを連結できるというのはどんなメリットがあるのか?というと。

今までは、トラクター側から作業機、ベーラーなどを制御するというのが当たり前の発想でした。それがISOBUSによって作業機側からトラクターを制御する方法に変わってくるということです。今まで、トラクターの自動化については開発が進んできました。ロボットトラクターで無人運転などです。しかし、本当に重要なのは作業の自動化です。そうなると、作業機の自動化がメインの考えになりますが、作業機がトラクターを制御できないとそれは不可能なのです。

例えば、ビートハーベスターの場合、石が多ければゆっくり走って、石が少なければ早く走りたい、これは明らかに作業機側のデータが不可欠になります。ロールベーラーに至っても、飲み込み度合いはオペレーターの感によるところを、飲み込みがよければ速度を上げ、飲み込みが悪ければ速度を落とす・・なんてことが自動でできれば修理の頻度も減るはずです。

このようにISOBUSは作業機のデータから、トラクターを制御していくというシステムなのです。