㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

キャッシュフロー経営を「時間軸」で考えてみる

先日、このキャッシュフロー経営を時間軸で考える・・ということについて、僕自身がお客様から教えられた。これは、どういうことか?というと、「サンクコスト」という言葉と絡んでくる。
皆さんも、こんな経験をいっぱいしてないだろうか?

経営している中で、例えば、6次化でカフェ経営をする決めたとする。そのために、アイスクリームを作る機械や冷蔵庫など買って、いざカフェを始めてみたが・・・思った以上に売り上げが伸びず、赤字が続いている。
こんな時、どうするか?というと、大抵の場合、「様子を見る」で何年も様子を見る。止めることなんでできない、なぜなら、カフェを作るために、何千万円もの投資をしたのだ・・それを捨てるなんて・・・もしかしたら、どこかで好転するかも?・・・というのが、ほとんどのヒトの心情だろう。側から見れば、「そんなわけないじゃん」というのが、直感で分かるようなことも、いざ自分にそれが起きれば誰だって、なかなか決断できないものである。

この既にかけてしまい、回収できないコストのことを、「サンクコスト」と言う。

これがカフェ経営だから、誰でも分かることだが、実際の自分の酪農経営に落とし込んだ時に、このサンクコストをきちんと捨てることができる経営者がいるのだろうか? このトラクターは、思い入れがある・・とか、この牛は、自分が初めて買った牛だ・・とか、個人的な感情と経営者としての判断なのか、きちんと区別できているヒトはほとんどいないと思う。
それが証拠に、事業の利益に関係のないことに「使うお金」と「時間」のなんと多いことか・・そういう場面に出くわすことも多い。

その顧客は、自分の中で予めルールを決めている。経営を株式投資のように見立てて、「損切り」を早くすることで、時間をたくさん作り、その時間をもっと有効活用するという手法をとっている。損切りを早くすることで、キャッシュに余裕が生まれ、その空いた時間で未来の投資をしている・・という形だ。
このやり方は、少し時間がかかるとは思うが、間違いなくキャッシュフローも良いし、本人の肉体的、精神的なストレスにも良いと僕は思っている。