㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

ボトルネックとは、システム設計上の概念で、物事を阻害する原因のこと。この原因によって、すべての生産性が引きづられて落ちてしまうこと。

今の非常に悪い状況をなんとか打破したい。でも、どこが悪いのか?自分の経営のどこが悪いのか?分からない・・という方にはぜひ参考にしてほしいのが、この「ボトルネック」がどこなのか?ということ。

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製造系の工場を想像してください。車、自動車を製造しています。自動車を作る中でSD-50という部品が、機械Aで加工して製造していますが、その加工、製造が追いつかず、全体の自動車の製造がすべて遅れている・・・という状態の中で、まさしく、SD-50が「ボトルネック」になっているわけです。つまり、このSD-50の製造を効率よく増やせば、改善されるわけです。
でも、そう上手くいきませんよね?
なぜなら、機械Aを止めている時間なんてないし、じゃあ、機械Aを増やせばそれだけ経費が増える。どうすればいいんだ・・という問題が発生します。

なぜ、製造工場の話しをしているのか。実は、酪農経営は、この工場経営と非常に似ているのです。
原料を投入し → 機械装置を使って → 製品を作る。
飼料を購入、収穫 → 牛に食わせる → 生乳を生産。
そして、生産した商品の質と数(量)で、収入が決まるわけです。

よく、ウチではこれが限界なんだ・・とか、他にもうやりようがない・・とか、自分で自分の経営に蓋をしているケースが、多々あります。ましてや、自分の経営の中しか知らないので、その先の改善を全く考えようともしないのです。
同じように先ほどの自動車工場のケースでは、機械Aに関してはどうしようもないと諦めてしまった場合、この工場は閉鎖するしかありません。改善点は必ずあるのです。気づいていないだけで、事実、この工場は、社員の休憩時間をズラすことで常に機械Aを動かすことで効率を上げたり、外部に外注を一部出すことでこのSD-50の部品の確保をして、製造能力を上げることができたのです。

酪農経営でもウチの牧場はもうこれしか乳量は出ない。これしかトータル乳量を搾れない。これらはすべて、経営者本人の頭の中で起きている「ボトルネック」なわけです。事実、ウチは30kgしか出ない・・と言っていた方が、牧草の品質を変えて、敷料の頻度を上げただけで、乳量が35kgまで簡単に伸びました。さらには、今は牛の淘汰を早めることで、疾病の発生を抑えて、そこでできたリソース(時間、手間)を育成牛や哺育に使うことで全体のパイを上げようとしています。

自分の経営の限界のボトルネックはどこなのか・・考えてみてください。