㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
不安とは、先のことが何も見えない状態を指す。
酪農不況の中で不安を感じている方が多いであろう。が、経営者ならば不安ではなく危機感であるべきという考えがある。
では、何が不安なのか?と聞いたとしよう。おそらく、次のような答えが返ってくるのではなかろうか。
・この先の資材、飼料高騰がどこまで続くのだろうか?
・乳価が期中で上がらないだろうか?
・国がどこまで保証してくれるのだろうか?
というような上辺だけの現象を並べるだろう。この不安の本質的な原因や、もしそうであるならばどうすればいいのか・・については、全く考えていない。同じ思考でぐるぐる回っているだけなので、考えたとしてもなかなか結論が出ない。
客観的にみたら、一個人が生乳の受給バランスをあーだこーだ言ったところで、何も変わらないので、それよりも今自分ができることを粛々とやるしかない。
経営には、ホームランなんてないし、簡単に儲けることなんてできない。そんな当たり前のことすら忘れてしまう。
冷静に考えて欲しい。日本は、「資本主義」の世の中なので、あらゆる業種がそのパイの中で切磋琢磨している。さらには、予期せぬ不幸に見舞われている。戦争が良い例だろう。
そこでは、「安定経営」だの「安心して経営する」などということはあり得ない。常に今自分がやっていることが間違っているのではないか・・という問いかけをしながら、一切他人に甘えることなく経営していかなければならない。
結論を言えば、不安を感じている暇などない。
今やるべきこと、これからやるべきをどうやったら実行できるか、行動するしかない。自分に言い訳して、グダグダ言っていても、何も変わらないし、何も変えれない。
今年の酪農不況は本当に経営者としての質が問われると思う。これは、経営が上手くいくとか、いかないとか、そういうことではない。これから先も生き残れる経営者としての考えが合っているのかどうか・・ということである。
前回の生産調整は、2012年である。リーマンショックは2008年。つまり、10年毎に不況は必ずやってくるのである。ずっと、景気が良いなんてことはあり得ない。こんなことは、誰でも知っていることなのである。それに対して、どういう行動をとれるのか・・ということである。