㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

前回に引き続き、不況のとき、どうするか?

牛価格が暴落し、搾乳だけではなく、個体販売の収入も減少してしまい、絶望感漂う状態でありますが、こういった時こそ、「他責」になってはいけません。
「他責」とは、どういったことを言うのか?というと
なぜ、ホクレンや乳業メーカーは上げないのか?ホクレンが悪い・・というような考え、さらには、政府や農水は何をしているのか?なぜ、もっと手厚い・・・みたいな、そういう考え全てが「他責」思考になります。
つまり、自分は悪くない、自分は何もやり方を変えていない、でも、経営が良くならない、じゃあ、犯人は誰だ、外部が原因だ!・・という思考回路です。

この「他責」思考では、景気が良くなったとしても経営は良くなりません。

例えば、先日報道された「加工補給金は上げない」という報道ですが、これも補給金の仕組みを理解していれば、当然のこと、むしろ下がらないだけマシ・・という理屈がわかります。
補給金の財源は、輸入乳製品になります。主に90%はチーズの輸入です。生乳換算でおよそ400万トンほど輸入して、仕入れ価格の3倍に付加して、その手数料が補給金の財源になっています。
コロナが起きてから、北海道では加工乳製品の在庫が積み増しになっています。
ということは、予算以上に補給金が発生しているということでもあります。輸入はそこまで増えていないにも関わらず、補給金が増えていれば、財源は枯渇しています。今まさにその状態で、とてもじゃありませんが、増額という話しにはなりません。

某東京大学の教授?の方が、食糧基盤と言っていますが、それはあくまで感情論であって、全ては経営も国家も「キャッシュ」がなくては話しになりません。守る!守る!と言っても、その財源がなくては何もできません。
さらには、正直なところ、これ以上、手当を厚くすることに意味があるのか?と関係者は思っています。何か起こるたびに、なぜ、農業だけ守らなくてはいけないのか?
先日のロシア、ウクライナ戦争で、日本の企業も多額の損失を出していますが、その損失を国で補填しろ!なんてニュースにもなりません。おそらくは億単位の損失ではありますが、誰一人、そんなことはありません。
すべては「自責」全ては自分の責任なのです。
そして、自責で行動すると、いかに自分達が守られ、手厚くされているか分かると思います。

酪農好景気と呼ばれた時に、何をしていたのか、それが今のあなたの経営の結果なのです。