㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

酪農不況が長期化する傾向をみんな肌感覚で感じているのか、さらに「酪農は儲からない」という風潮が強まっているように感じる。ネットをみれば、酪農は儲からないから・・何をすればいいのでしょうか?というようなコメントが多い。

世の中、投資ブームや副業ブームで勘違しているが・・・副業で儲けようという発想自体がナンセンスだ。例えば、副業として代表的なYouTubeは、成功確率は「プロ野球選手」になるよりハードな0.5%であり、登録者1000人は全体の5%しかない。
これは、何を意味しているかといえば、「本業で儲けることができない奴は副業でも儲けることができない」ということである。

本業で儲けるスキルがなければ、副業で儲けることはできない・・という事実は確実に存在するが、もう1つ、本業の赤字を副業で埋めようという発想も僕からみれば「意味がわからない」と言える。
仮に、副業が儲かると仮定した場合でも、酪農経営でいえば今なら和牛繁殖だろう・・受精卵移植、和牛産子を買ってくる、育てる、いずれであっても「投資」であり、先に資金が出ていく。
つまり、本業の経営が苦しい=資金がない、状態であるのにも関わらず、それを考えず、闇雲に、その場の思い付きで、みんなやってるから、というような理由でやっても、無意味なのだ。
答えは、もっと本業にベットすべき・・だけなのである。

酪農経営であれば、どうすればあと〜トン増やせるのか?なぜ、個体乳量が40キロにいかないのか、やるべきこと、考えるべきことはいくらでもあるし、投資できる部分はいくらでもある。
数少ない戦力をさらに分散しては、勝てるモノも勝てない・・のは自明の理である。
さらには、マーケティングの知識もないのに、生乳の価格を自分で決めるべき・・なんて発想までしている。これこそ、B to Cをやったことがない人の発想だろう。酪農経営の六次化のほぼ100%が赤字である。これこそ、マーケティングを理解できない典型なのだと思う。

こういう不況の時こそ、足元を見つめ直して、今の自分の経営の何がダメなのか、真剣に考えるべきである。そこにしか、答えはない。