㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

リスクを避け、やるべきことだけ考えれば、生きていける。今目の前で起こることだけ、起こるさえクリアできれば、経営は続けられる・・と、そう考えていた経営者は多いと思います。
今のこの酪農不況と呼ばれる状況であれば、尚のこと、こう考える経営者は多いはずです。「今さえ生き延びればなんとかなる」
→今良くてもこのまま先細りです

コンサル先の顧客が言っていた言葉に印象的なセリフがあります。
「クミカンを何とか1円でもプラスにするために、年末を乗り切る。何とか年末を乗り切れば、そこからは(年明け)気が楽になる」
これでいいのか?と思うのであれば、それでいいと考える酪農経営者は多いでしょう。

しかし、これは「回避」の考えであり、根本的な解決には何も至ってません。今回のような不況が起きた時に真っ先に、キャッシュフローがマイナスに転落し、それを取り戻すだけの目先だけの経営になるのは自明です。
景気が好機の時は、リスクを冒して挑戦して、自分の経営を成長させる。
それが、たとえ景気が悪くなっても自分の経営を守りかつ成長させることにつながるわけです。
しかし、多くの場合、今目先の利益に惑わされ、和牛だの、F1だの、〜〜だの、目先の小銭拾いに忙殺されています。
冷静に考えてください。酪農経営の基本は、乳生産です。売上の90%を占めるのが乳生産です。個体販売、和牛生産は酪農経営全体の10%でしょう。どちらに投資をするのが効果的か、自明の理です。ところが、どうしても隣の芝生は青くみえ、自分にとっての甘い汁についつい誘惑されるのです。
「投資」とは、結果がすぐ出るものではありません。
1年、2年、3年、5年かかって初めてリターンがあるものもあります。
自分の本業にリスクを伴って、「投資」すべきです。すぐに結果なんて出ません。
究極、結果が出るまで正しい投資をするしかありません。