㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

飼料などの原価が上がってどうしようもない。もはや、政府に助けてもらうしかない。
食糧供給は国防だ。国家が管理すべきだ!いっそ、政府で全て管理すべきだ!というような発想になる方が多くなってきました。
一見正しそうに見えます・・が、現実はこれじゃ上手くいかないことが、歴史で証明されているわけです。

なぜ?社会主義では上手くいかなかったのか、ここに経営のヒントもあります。
国家が生産を管理するとなると、生産「量」が決められ、生産「システム(方法)」が決められ、ということでしょうか・・そうなると、何が起こるか・・人はちょっとずつサボり始めます。
頑張っても頑張らなくても報酬が一緒となると、途端に怠けるわけです。

この「怠ける」というのが曲者で、本人は言うわけです。「真剣にやっています!」とか「私を馬鹿にしているのか!」とか、言うわけですが、管理者側からみると、できていないわけです。
みんな、サボってないし、真剣(本人談)にやっているのに、どんどん成果は落ちていくわけです。頑張っているのに、精一杯やっているのに、そうは言っても、どんどん成績が落ちていく。
この原因は、この「ちょっと」だけサボっている、できていない、これがチリツモで、結果、悪くなっていく・・というわけです。

これは経営の中でもよくある話しで、やらなくちゃいけない仕事を「忙しいから」とか、約束に平気で遅れたり、自分がやりたい事だけやる・・なんて事をしていた場合、この「ちょっと」がどんどん増えて、そのために結果がどんどん悪化していくケースが多々あります。
皆さんも経験がありませんか?人にアドバイスを求めてきたので、答えたのに「忙しいから・・」と言い訳されたという経験。よくある話しです。

さらに、この社会主義の欠点が、責任者がいない事です。まあ、実際の政治ではいるにはいたんですが、嘘と賄賂で誤魔化していたわけですが、日本でやれば、間違いなく、この責任者の問題が起きると思います。
実際、今の組織で、責任者がはっきりしない組織が多いわけです。
雇われ社長がその典型で、経営に失敗しても何年かしたら次の人に交代だから・・という感じでしょう。
責任を取る人がいなければ、誰が真剣にそれを考え実行するのでしょうか?
さらに、たとえ実行したとしても、上手くいきっこありません。必ず、失敗します。そこで起き上がり、また、実行する、責任者以外に誰がやるのでしょうか?
「あー失敗したね。しょうがないね。」では、経営が成り立ちません。

もしも、農業や酪農、漁業が保護され、国有事業化されたら、より衰退するでしょう。税金が投入されたら、年収の上限は、国民平均より下がらなくてはなりません。税金を使うなら、国民が許しません。自分たちより良い暮らしをしているなんて許せないでしょう。
現状、米農家がそうなっていますよね。兼業ばかり増え、年間売上500万以下が多数をしめる産業・・・そうなってしまいます。