㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

商売とは、顧客に対して、「商品」「サービス」を提供することです。コンサルであれば、より良い提案、顧客がより儲けることができるように考え、そして、商品、サービスを提供します。

では、酪農経営の顧客、つまりは、「牛」ですが、その牛に対して、どういった商品やサービスを提供できているでしょうか?
ここでは、この仕事、商品、サービスの「質」に関して、お話しします。

「質」の基準、最低限守るべきボーダーラインはどこか?それは、「お客様が満足するモノ」です。よくあるのが、自分は「精一杯やっている」「できるだけ頑張っている」それは、関係ありません。勉強している量や時間では、受験が受かることがないのと一緒で、必ず、結果を出さなくてはなりません。結果が出るように努力しなくてはなりません。
その最低限の努力の、ボーダーラインが「お客様が満足するモノ」ということです。

先日も、「乳量が下がったので、どうしたら良いだろうか?」という相談がありました。まあ、よくあるケースです。一通り、飼料計算して、飼料分析をした結果、特に問題がありませんでした。では、どうするか・・経営者、自ら考え、行動していくしか方法はありません。
今のこの数字は、自分の経営に対する結果です。冷たい言い方に聞こえるかもしれませんが、これが事実なのです。
そこで、今すぐ乳量が魔法のように増えることがない前提で、質問してみました。
なぜ?乳量が減っていると思いますか?・・・牛の入れ替えをせず、分娩する牛が少なかった
粗飼料は?・・・デントコーンが良くない
繁殖は?・・あまり良くない
・・・・
キツイ言い方をしますが、なぜ、それをすぐにやらないのですか?
何にお金を使っているんですか?そんな余裕があるのですか?・・とは言えませんでしたw が、本音はこれです。
あなたにそんな余裕はないでしょ。真剣に経営してください。

一昨年、牧草地に初めて、カルシウムを散布したところ、かなり粗飼料の状態が良くなったそうです。では、それを20年続けた人とどちらの成績が良いのでしょうか?他にも、こういった「やった方が良いこと」が、たくさんあるはずです。少なくもと、僕の目からたくさんあるように思います。
牛が喜ぶ、商品(エサ)、サービス(管理)を提供して、初めて、乳量(売上)が増える。この基本を忘れてはいけません。

こういった相談をされたとき、脂肪酸をやった方がよい、この添加剤が良い、〜が足りない、確かにそういったケースもあるでしょう。しかし、酪農経営において35キロ以下では、そんなものは必要ありません。もっと本質的な問題の方がよっぽど重要です。
僕は、酪農経営者ならとことん
商品(エサ)、サービス(管理)にこだわるべきだと思います。そう思っています。
そして、その判断基準は、自分の都合ではありません。牛が決めるのです。つまりは、乳量が伸びるかどうかです。
それ以外に価値はありません。この「質に対する意識」をもっと強く、高く持つべきだと思います。