㈱牛コンサル 酪農コンサルタント代表中野です。

創業二年目の1974年、わが社は新卒社員の採用にい踏み切りました。社員みんなで手分けして大学、高校の就職課をまわり、PRにも努めました。当時はオイルショック後の不況で、大企業が揃って採用を手控えたこともあり、少なくとも10名くらいは集まるだろうと、安易に考えていました。
会社訪問の当日、私たちはワクワクしながら待っていましたが、たった一人の訪問者もなく、時間だけが過ぎていきました。そして、お通夜のような雰囲気の中で、学生のために用意した寿司を食べたことを、今でも忘れることができません。

「情熱・熱意・執念の経営」永守重信

オイルショック後の不況で、失業した人も多いと思われていた時代、1974年当時の失業率は2%ほど、高くはありませんでしたが、なんとなく肌感覚で、今よりも採用しやすかったイメージがどこかありますが・・・・この結果です。
書いてある通り、「甘かった」わけです。
それなりに、採用を頑張っても、2年目の会社に入ろうなんて就活生は1人もいないわけです。

でも、これと同じことが現代も言えるわけです。
経営者として「採用」を頑張っているつもりの方はいますが、その99%は実行できていません。真剣に採用を考えていません。サイトに募集をあげていれば、いつかくるかも?しれない程度の発想なわけです。
そうした発想の上で、かつ、「優秀な人材がこない」という発想になるわけです。
上記の日本電産では、3年目には、どこにも行き場のなかった学生が6人きたそうですが、そのうちの1人に、「何か自信を持っていることはありますか?」と聞くと、「パチンコです」と答える。こんな結果だったようです。

ですが、こうした人材しか来ないのであれば、教育しなおして、再教育して、社員として立派な人物に育てなくてはなりません。

・売上・資金繰り、・人材に悩むというのが経営者の悩みの順番と言われますが、この人材の悩みこそ経営者にとって、最も難しい仕事の1つだと思います。多くの経営者は、この人材の悩みに関して、逃げる・・を選択します。
はっきり言って、めんどくさい、時間はかかる、お金はかかる、せっかく上手くいくかな?と思ってもすぐ辞める、などなど、マイナス面が大量に発生します。なので、逃げたくなります。
人のことより、自分でやった方が早い・・・となります。
ですが、結局のところ、1人でできることには限界があります。そして、実際に働くのは機械でも動物でもなく、ヒトなわけです。その、ヒト、社員をどう育てるか、というのは会社にとって非常に重要なことです。