㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

経営者としての道を説く話しはそこら中にある。
こそばしくなるような、会社は社会の公器であるとか、理想を追求し、地域のために・・という理想が掲げられる。
確かに、純粋な気持ちは大事だろうし、清廉潔白な心は大事であると思う・・・が、それだけで経営者が務まるほど甘いモノではない。

残念ながら経営における現実は、1に金、2に金、3に金、キャッシュの確保をどうするか?に心を支配される・・・これが現実である。そして、このキャッシュに執着する姿を見て、「嫌われるのではないか?」「金に汚い」などと揶揄されることが多い、そして、その揶揄を恐れる気持ちが強くある。
しかし、これが経営の現実である。ましてや吹けば飛ぶような経営においては、ちょっとしたミスですぐ経営が吹き飛ぶようなことが起こるわけで、綺麗事だけではやっていけない。
自分の家族すら養うのが大変な世の中で、社員の生活まで保障する経営者のプレッシャーはそれこそ半端ない。

理想とは、先に気持ちや感情がまとわりつく。確かに立派な経営理念や思想は重要なことである。しかし、それ以上に重要なことは「何をするか・・行動できるか」である。それも、合理的でなくてはならない。そこに「可哀そう」などの感情はいらない。
経営者になると、知人、親戚から、〜〜を雇ってやってくれないか?と相談されることがある。最初は、まあまあと「人情」を理由に、雇用するが、たいてい失敗する。不満だけが募る。結果やめてもらうことになる。(僕は、もう二度と知人、親戚の紹介で人を雇わないと決めている。)

だからこそ、合理的で論理的な発想で経営をしなくてはならない。理想では、経営はできないのだ・・・・と結論づけたいが・・・これまた、合理的、論理的だけでは、また、人がついてこないのである。
自分が社員だとして、いつ、クビを言い渡されるかわからない人間についていきたいと思わないのも、また、これが人情だと思う。
この理想と現実のバランスが経営者には大事であろうとは思う。

ただし、一般的にこの理想と現実に関して、多数派の経営者は、理想に傾いている場合が多いと思う。なので、なるべく合理的かつ論理的、つまりは、理想論ではなく、経営者自らの行動で変えていくしかない・・と思う。