㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

経営者は心のどこかで「楽して儲かる方法」をどうしても探してしまう。その典型的なものが、世の中では、仮想通貨バブルであったり、酪農経営でいえば最近の和牛受精卵であったりする。
こうした楽しても儲けたお金というのは、気づいたら、すぐ無くなっていることが多い。楽して儲かることを覚えると、自然と金遣いが荒くなる。5万や10万なんて、すぐに取り戻せる!なんて風に勘違いしやすい。
儲けることの難しさ、利益を出し続ける難しさを、忘れてしまうのである。

日本全体で、赤字割合は7割以上、小規模零細でいえば、8割を超えている。ここでいう黒字赤字は、法人経営におけるモノであり、個人事業とは異なる。
会社、事業とは、何も努力しなければ、儲けることは難しいのである。
利益によって得たキャッシュというものは、大事に大事に使わなくてはならない、なぜなら、本当にキャッシュを増やすのが難しいからである。しかし、楽して儲けたお金には、そういった気持ちには決してならない。
よく2代目、3代目が、会社を潰すと言われているのは、先代が築き上げた資産に対しての、苦労を忘れてしまうからである。
何度もいうが、もともと、儲けることは難しく、キャッシュを増やすことが難しい、その上で、会社の維持のためには、必ずキャッシュを増やさなくてはならない。難しいことの上に、さらに難しいことをやるのだから、真剣に日頃、キャッシュ管理をしなくてはならない。

そして、もうひとつ。
キャッシュは、借入によっても増える。もちろん、運転資金を借り、キャッシュを増やすことは経営にとって大きなプラスである。これは非常に重要なことである。しかし、キャッシュが増えたから・・・安心、というわけでは決してない。
毎月、毎月の経営の中で、着実にキャッシュが増える経営ができるかどうか、これが重要なのである。
運転資金の確保は、そのための時間稼ぎでしかない。
確実に、キャッシュが増える経営をすることが重要なのである。

キャッシュフローを理解して、日頃からキャッシュフロー経営をしている経営者でも、この毎月のキャッシュを増やすというのは、非常に苦しい。みんな、言っている。全然増えないと。これは、投資をしなくては利益やキャッシュは増えないから・・というのが1番大きいのだが、やはり、どこかで油断や慢心があるのではないか?と思う。
キャッシュがなくなれば、即、倒産。この事実を胸に、経営していくしかない。