(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

1930年アメリカで起きた世界恐慌の後に、時の大統領ルーズベルトが打ち出した政策それが「ニューディール政策」になります。公共事業を行い雇用を生み出して恐慌からの脱却を促したとされています(効果があったかは諸説あります)。それに対してこのグリーン・ニューディール政策とは?

このグリーンニューディール政策とは、前アメリカ大統領オバマが提唱した政策です。道路建築やダム建設のための公共事業よりも、温室効果ガス削減などのために、再生可能エネルギー推進を進める。その過程で雇用を生み出すという「一石三鳥」の政策だったわけです。
当時はこの政策方針は世界的に評価されました。
さすが、世界の警察アメリカの大統領は言うことが違うな〜と。

しかし、その結果・・・は今も何も進んでいません。

それは、やはりいくら公共事業といってもその「効果」が資産とならなくては結果が伴いません。今言われている再生可能エネルギーは実は電力供給としては超不安定なのです。

電力は貯めるという事が困難です。貯めるには電池が必要になりますが、その電池のコストは莫大になります。なので、通常の発電施設では電力を供給する過程で(電線上)蓄電しています。さらには、常に一定の電力を生産して、供給し続けなくてはなりません。それが蓄電を兼ねた供給になるわけです。これは一般知識です。

火力発電、原子力発電の両方は、常に原料さえ投入されれば動き続けることが可能になります。でも、風力は風がやむと・・水力は雨が降らないと・・太陽光は雲が翳ると・・・電力は止まり一定供給し続けることができません。そのために、再生可能エネルギーが広がりづらい原因なのです。
アメリカでは、この課題のせいでなんと方向転換をしてシェールガスの採掘に舵が切られました。理由は、石油よりも安い?という理由です。

結局、オバマが唱えたグリーン・ニューディールはただの理想として、終わりました。これには、コストと現実という視点が抜けていたのです。
経営はこの「コスト」と「現実」というモノから逃れることはできません。例えば、社会の底辺と呼ばれる人々を救うんだ!を事業にしているNPO団体がありますが、そこで働いている人たちは最低時給で働かされているのが現実です。他人の会社には、もっと給料をあげろ!と声を上げますが、自分の事業ではそこまで給与を上げることができないのが、現実なのです・・・