(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

平成の30年間を一部界隈では「失われた30年間」と呼んでいる。が、なんで失われた30年なんて呼ばれ方をしなきゃいけないのか?いやいや、日本人は懸命に生きてる!という声もあるのもわかる。なぜなのか?それを深掘りしてみる。

平成が始まった1990年はまさにバブルと呼ばれた時代、日本がナンバー1だ!という時代で、ニューヨークマンハッタンのビルを買ったり、ハリウッド映画会社を買収したり、という時代。その時の世界時価総額ランキングには・・

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見ての通り、ほぼ日本企業ばかりだった。この時には「モノづくり」全盛時代、言葉が通じないけど製品さえ安くて大量生産できれば売れた時代。勘違いしている人も多いが、日本製品が品質が良くて売れたわけじゃなくて、値段が安い割に良質という評価だったのだ。それが売れたわけだ。

そこから30年後の今現在、日本企業は1社も入っていない。35位前後にトヨタ2,000億ドル付近でいるのみ。

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「日本のやり方は間違っていない」「だって世界1位になったやり方だ!」という声のもと、ずっと仕事のやり方を変えず、やってきた結果がこれ。ヒトは誰でも「自分で考えるより」ヒトから命令された方が楽だと考える。
過去は、軍隊式の皆でどれだけ統一してできるのか?が成果を出す方法だった。イメージするなら、人海戦術で規則性を持つような形。でも、今は違う。ヒトがいくら集まろうとその価値は薄く、1人のリーダーがチャレンジしていくというような方法が最も効果的な方法になったのだ。

僕がよく言っている「ベテランが作るモノづくり」つまり酪農経営で言うなら「自分にしかこれはできない・・搾乳も自分の方が上手、牛の扱いも上手、取引交渉も上手」という形から、「データ×AI」つまり、ロボットを使ったり、牛のデータを集めたところから解析して結果を導き出すことを自動で行うこと(アルゴリズム)、ヒトの意思というよりも合理的なシステムをトップとして行うやり方。

分かりやすく酪農経営で例えたが、他の企業でも同じことが言える。終身雇用だから・・簡単には社員は首にできないから・・という甘えと、いつでも本気を出せばいつでも勝てる!というような厨二病的な発想により、ダメになった。2回言いますが、ダメになったのです。
この失われた30年で日本の賃金は一切上がっていない後半10年なんて下がりっぱなし・・これが失われた30年の結果なのである。