㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
昔は安いけどダサいというイメージだったユニクロだが、最近は特にグローバル企業としてスゴイとなっている。その理由を考える。
ユニクロは元々山口県のただの紳士服小売店だった。
元々は洋服小売店というのは、基本的にメーカー(サプライヤー)→ 仕入れを行うのが一般的な考え方。どのくらい販売できるのか?を予測して、1シーズンどれだけの仕入れをするのか?を決めていく。
ユニクロは、この仕入れを大幅に減らして、自社で「作る」ことにした。
言うは易し行うは難し・・とはこのこと。
この自社で「作る」をやるためには、圧倒的スケールが必要になる。通常、衣類の原価は30〜50%と言われている。(なんで、こんなに原価が低いのか?というと、服は季節商品のため売れ残ると廃棄されるからである。捨てるコストも折り込まないといけないからである)この原価を下げるためには、圧倒的な販売数量が必要になる。こんな話しがある。
ちょっと前に、衣類関連の展示会である中国企業がユニクロに仕入れのお願いに行った時のこと・・この中国企業は製造能力が月20万着が限界だったのが・・柳井さんに「月30万着まで製造できます!」と言ったら・・柳井さんは「300万着じゃないのか?30万着じゃ少ない」と言ったそうだ。
ここまでのスケールになってこれば・・仕入れ先の企業が「大型投資」に踏み切れる。売り上げが10倍になれば、使う機械だって変わってくるはずだ。考え方も変わる、ヒトを増やすのか?機械を増やすのか?という具合だ。
さらには、ここまでのスケールにするには、カジュアル(一般的)でないといけない。あまりに奇抜なデザインでは、大量には売れない。地味だと言われようが・・誰もが着れる服、差別化しづらい分野でどう「他者と差別化するのか」を模索した結果だ。フリース1つとっても、ヒートテック1つとっても、年間数千万着と売るのは、並大抵の企業努力ではない。
最後に、ユニクロが販売する商品・・例えばフリースが年間1,000万着売れるとすれば、それは作れば作るだけ売れるということ・・・もはや「お金」を作っているのと変わらない。現実のお金を作るのはもちろん犯罪だが、お金の代替品を作る・・という風に商品がなってしまえば、いや、どうやってそこまで持っていくか?が経営なのだろう。