㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。
偶然得た「利益」には何にも価値がない・・という話し
2019年から発生したコロナショックによって、日本の零細事業者にばら撒きが行われた。個人で100万、会社で200万配布された。さらには、家賃補助絡みでも相当のお金が配われた、それによって、数百万円もらった人もいる。さらには、コロナ融資によって、1000万、2000万円という金額の融資が、無利子、無担保、据え置き返済で、行われた。その結果、何が起こったか?
前回の続き
ある経営者は、時計を買った。400万円もした・・らしい。
ある経営者は、車を買った。外車に乗ってみたかった・・らしい。
そして、2022年年末頃から、融資の返済が始まった時に何が起こったのか。
返済スタートの1発目から返済できない経営が続出した。
具体的な数字は把握していないが、2023年1月より、コロナ融資返済のための融資がスタートしたことからも、このケースが多いのが想像できるだろう。
中には、コロナ融資をそのまま生活費として使用したケースも多々ある。とりあえずは、当座はこのお金をやりくりして〜という、思考が透けて見える。
この話しを聞いて、「自分はそんなことはない!」「そんなアホなことをしない!」と思っているかもしれない、そこのあなた・・・。
前回のブログでも説明したように、宝くじの当選でもそういったことが起こっているのである。当選者の自己破産率は7割を超える。
今自分がしている行為、行動を、客観的に自分で判断できる人間は、僕はいないと思っている。ほぼ全ての人間が、アホなことをしてしまう・・と思っている。
このコロナ融資や補助金のケースは特別なことなのだろうか?
ここで考えるべきことが、偶然の運と必然(努力)の運の違いである。
偶然とは、先ほどから説明している通り、自分とは関係ない外部の力によって発生した「運」である。具体的に言おう。例えば、突発的な補助金が発生したり、乳価
が上がった・・というようなことである。
そして、必然、努力の運。これは、目標を定め、それに向かって突き進んできた結果、その目標通りに達成できた「運」である。具体的にいえば、計画通りに進んだ、融資が通った、など、自分の力でもぎとれた運である。
重要なのは、この必然の運である。
人は誰も、偶然得たモノすら自分の実力と勘違いする傾向にある。もしくは、同じことをまた再現できると勘違いする傾向がある。
乳価が上がったのは、それはあなたの実力で変わったことなのか?ということである。努力すれば、乳価は上がるのだろうか?言ってしまえば、たまたまである。でも、乳量が伸びたこと、個体乳量が30キロから35キロになったとしたら、それは、もちろん運もあるだろうけど、運だけでは達成できない、そこには、努力すべきことが沢山ある。牛の飼い方、コンフォート、エサ、粗飼料の問題、敷料はどうか?など、やるべきことは沢山ある。
対して、乳価は「値上げしろ!」と努力すれば何か変わるのだろうか?
もし、そうならば、平和になれ!と言えばウクライナの戦争もすぐに止まるし、台風も日本に来るな!といえば来ないだろう。