㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

厳しい、苦しい、状況をちょっとだけ抜け出した。そうなった途端に、また経営が右肩下がりになっていく。経営している中で、よくあることだ。
ちょっと、上向いたくらいで、「良くなったかも」なんて、頭に少しでも浮かんだ瞬間、経営の神様は睨みを利かせていて、すぐに落とす。
油断、慢心、驕り、これらは経営者なら誰でもかかる症状だと思う。

経営者になれば、誰かから叱られる?怒られる、ことはない。
自分の周りは、イエスマンか苦笑いをする人間しかいない。誰かが間違いを正してくれる人間なんて1人もいないことを忘れてはいけない。
経営者は自分が正しい、なんて思っちゃいけない。
常に、間違っていないか?という疑問を抱えて経営しなくてはならない。

残酷な数字を突きつければ、小規模零細の会社の最終利益はせいぜい売上の1〜3%ほど、10%からは、ほど遠い。売上も小さい中で、その利益率なので、歯車が1つ噛み合わないだけで、経営が怪しくなる。さらには、その噛み合わせの悪さに耐えられるだけの力がない。力=資金力、つまり、キャッシュである。せいぜい月商1ヶ月、いや1ヶ月もない経営の方が多いだろう。この状態であるにもかかわらず、油断、慢心、驕ってしまう経営者は多い。
客観的に自分を見ることができる経営者が少ないからだ。

感情や雰囲気で言えば、儲かっているように見える会社も、実際の数字で見ることで、客観的に判断することができる。
「あの会社は儲かっている」「あの社長は儲かっている」という会社が、ある日突然、倒産した。数字を見たら、悲惨な状況であった・・・というのは、本当によくある話しである。「儲かっている」というのは、あくまで雰囲気であって、主観が入る。数字は、誤魔化しようのない実態であり、客観的事実である。
経営者はどんな時も自分を客観的に見るようにしなくてはならない。
数字で自分を判断するように癖を身につけなくてはならない。
そして、実際に融資を受けるという時に判断されるのは「数字」である。
感情や雰囲気ではない。誤魔化しようのない数字である。
もっと具体的にいえば、キャッシュ、資金力である。キャッシュに対しての経営者の考え、姿勢がそのまま、キャッシュフローになる。

たとえ、キャッシュフローが潤沢になっても油断してはいけない。
苦しい時、厳しい時、できていた事、自分に対してシビア、経営に対してシビア、コスト、買い物、投資に対するシビア、が、いつの間にか、できなくなるパターンが多い。
いつの間にか、油断しているのだ。
上手くいっているのではなく、上手く行き始めた・・・だけなのにも関わらず。

せっかく積み上げてきたモノが、この油断で崩れていく。
何度も自分に「油断していないか?」問いかけてほしい。常に意識して、経営してほしいと思う。