㈱牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

キャッシュフロー計算書とか、キャッシュフローの予算を作るなど、キャッシュフローに対する取り組み方はいろいろある。ここで、経営してきた中での現実的な資金繰りの予算の立て方を紹介する。

▶︎ 売上予算や利益予算と、キャッシュフロー予算は明確にやり方、方法が違うということ
売上予算などは、月毎に年毎に予算を立てるが、これはあくまで目標数値的な意味合いが強い。このくらい売り上げがあれば、これだけの利益が出るのでは?というような意味がある。
これと、キャッシュフローは意味が違う。
キャッシュや資金繰りは、ショートしたら、全てが終わってしまう。つまり、潰れるということ。赤字であっても「来期で頑張ればいいや」とは訳が違う。売上が未達であっても、今すぐに潰れることはない。しかし、資金が無くなればすぐに潰れる。
そこで、資金繰りにおいて重要なことは「余裕ある資金」を持つことである。この余裕とは、2年先まで見据えた「余裕」である。2年、時間を稼ぐことができれば、何かしらの次の一手を打つことができる。そのための2年である。
売上が減っても、利益が減っても、何とかなる余裕ある資金を確保すること。これが大事なアプローチの1つ。

もう1つが、毎日に資金の動きを常に把握するということ。これは1週間単位では遅すぎるし、毎月単位ではとてもとても遅すぎる。毎日やるから、最低でも2、3日で気づくことができる。
キャッシュフロー計算書というと、毎月のキャッシュの予算を立てる訳だが、これは実践的ではない。キャッシュの困ったところは、気づいた時にはもう遅い、という問題がある。足りなくなったら、すぐに手配できるものではない。売上や利益は、ある程度予算通りに行くかもしれないが、キャッシュや資金はそうはならない。突発的な支払いが発生する可能性は非常に高いからである。
そうした不測の事態にも対応するために、鳥の目で2年先を見据えて資金繰りを考えて、虫の目で足元の資金繰りを常に確認すること、この2つを同時にやるのが現実的な方法である。