(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

最近、SNS上に「畜産・酪農」は虐待しているという旨の投稿が非常に増えてきた。プラントミートなどの植物代用肉など、植物性ミルクなどなど、そういった具体的な商品が増えています。
今後、これら代用食のコストが下がる事さらには味ももっともっと進化していくことは間違いありませんね。じゃあ、畜産・酪農の未来は無くなるのか?を再度考えてみたいと思います。

ビヨンドミート、インポッシブルミートなど、今これらの代用食事業はブームであり、どんどん新規参入も進んでいます。そこに環境問題、特に地球温暖化問題も絡めてどんどん拡大しているように思います。実際、アメリカのビヨンド社の株価はここ数ヶ月で暴騰しており、その期待値が高まっているように思います。
僕個人としてもこの分野の研究と開発はますます進むし、事業拡大も進んでいくと思っています。

でも、そうなったとしても畜産・酪農は無くならないと僕は思っています。確かにある程度減っていくかもしれませんが、全て無くなることはありません。むしろ、今のままのように絶対的に畜産・酪農の生産物を利用するヒトが多いという風になっているままだろうと思っています。
それはなぜか?

僕が考えるその理由は、畜産・酪農も代替食品も、原料が一緒だということです。畜産で用いられる原料の多くは穀物です。代替食もその原料の多くは穀物です。どちらも穀物です。さらには、その原料の穀物を、動物を使って加工するのか?工場で加工するのか?の違いだけのように思うのです。
あくまで単純化して考えた場合においてです。結果、穀物の取り合いになることは間違いありません。そこは何も変わらないと思います。
この考えには必ず想定される反論があって、牛肉1キロには10キロの穀物が・・・というやつですが、その穀物にはバイプロと言われる副産物が多く含まれています。このバイプロは人間は好んで食べません。人間は、身体に良いのか?悪いのか?より美味しいか?美味しくないのか?で判断する生き物だからです。だから、このバイプロはほとんど99%食べません・・・

原料が一緒であると考えれば、ただのライバルな訳です。そこには、ただただ経済合理性が1つの法となって、消費者が判断していくと思います。ただ、中には自らに十字架を掲げて、「自分はこんなに努力しているんだ!」「だから、あなたも努力すべきだ!」というナルシストは必ず存在します。でも、ヒトは短期的には感情(イデオロギー)で動きますが、長期的に見れば必ず経済合理性で動いてしまいます。ましてやそれが毎日食べる「食」ともなれば、大きな支出ですからね。