(株)牛コンサル 酪農コンサルタント 代表中野です。

ゲノム編集技術。それを可能にする酵素「クリスパーキャス9」。このゲノム編集技術が今までの遺伝子組み替えと何が違うのか?さらには安全性について語る。

まず、「交配」について理解しておきましょう。交配とは過去人間が行ってきた当たり前の手段です。小麦もイネも元々は、そのタネは熟すと下に落ちてしまう性質を持っています。じゃないと、次の発芽ができない当たり前の生存手段です。
ところがあるとき、エラーが起きてタネを落とさない品種が生まれました。それが、今日の我々が食べているコメや小麦の祖先になるわけです。

時代が進み、効率よく収穫、増産するために、「遺伝子組み替え」という技術が開発されました。遺伝子を組み替える?研究室で何か危ないことをしているの?なんて多くの人が思うかもしれませんが、なんてことはありません。ただの「交配」です。交配という言葉だけだとピンとはきませんが、宝くじよりも確率が悪い、そんな中での育種改良になるわけです。効率が悪すぎます。そこで、1つの種に違い種の遺伝子を組み込んで新しい種を作るというのが「遺伝子組み替え」です。

この遺伝子組み換えも、メロンの苗になすびを添え木すると病気に強くなる・・みたいな事と考えておけばいいです。それでも、確率は1万分1くらい、期間で言えば10年以上、新しい品種を作るのにそれだけの時間と「お金」がかかるわけです。

さらに進化したゲノム編集技術、特定のゲノムに対して(塩基配列)、クリスパーキャス9という酵素を使って、変異させる技術です。この技術によって、新しい品種を作るのに数百分の1、期間1年から2年と格段に減ったわけです。
さらには今まで不可能とされてきた品種改良も可能となっています。
こうきくと怖がる方も多いかもしれませんが、それは無知故です。